僕の ”非常宣言” レビュー。
というわけで見てきました。非常宣言。
新年1発目に劇場で見た映画なんですけど、まぁ、最悪の1年になりそうです。
正直に話すことを信条としてるので今回はかなり酷評させていただきます。
イエスマンで固めた会社が上手く機能しないように、映画も褒める意見だけではいい作品は生まれないので、1人の映画好きとして一石を投じさせていただきます。
〇良かった点
やはり、ソン・ガンホの役者としての完成度はズバ抜けてました。
ソン・ガンホに1番適した役回りってなんだろうと考えたときに真っ先に思いつくのはベイビーブローカーとパラサイトなんですね。
”周りから見れば最低の行いをしてる人間なんだけど、それも信念に基づいた行動であって本当は愛に溢れた人間の役”
これがドンピシャにハマっているのがソン・ガンホという俳優だと思うんです。
そう考えると熱血刑事役は完全にミスマッチでした。
それでもなんとか見れるようにしてしまうのだからソン・ガンホの演技の幅が広さを感じました。
ソン・ガンホが筆頭に上がりますが演技はみんな比較的上手でしたし、韓国の俳優さんのレベルの高さはやはり健在でした。
そんな抜群な食材を受け取って起きながらなぜこんな不味い料理ができあがってしまったのか振り返っていきます。
✖︎悪かった点
まず物語の序盤で完全に見る気が失せたシーンです。
犯人自身が、前日にSNSで ”飛行機テロを起こす” とわざわざ言ってるにも関わらず。
当の本人は空港のスタッフに向かってこう言います。
「まだ乗る便は決まってないんだ」
「人が沢山乗っている便に乗りたい」
開いた口が塞がりませんでした。
選択の1つ1つがとてもエリート出身の犯人が考えた行動とは思えませんでした。
この映画全体に言えることなんですけど登場人物の選択がドラマ的すぎてリアリティが無いです。
他に例を上げるなら病人を乗せた飛行機をアメリカに着陸させた後、給油もさせずに引き返させるとか。
首脳陣の判断がゼロか100かの判断しかなくてもっと上手に折り合いつけるのがあんたらの仕事だろうがと、とにかくアホすぎました。
無抵抗な旅客機に向かって威嚇射撃をスレスレで撃ってくるなんちゃってトッ〇ガンとか。
飛行機内にウイルスが充満していくにも関わらず物語後半になるにつれ死亡者数が減っていく空気の読める殺人ウイルスとか。
もうめちゃくちゃでした。
僕はスリラー映画にリアリティって必要不可欠だと思ってます。
異常事態であるからこそ、人間味のある考察、人間味のある行動の元に登場人物が動かないと緊迫した空気は生まれません。
書き出すともう2~3個はありますが体力の限界なので別の気になった点を紹介します。
1つは、車と犯人の原付とのカーチェイス中のカメラワークです。
車の後部座席からカメラを当ててるんですけど手ブレが酷すぎます。
恐らく、臨場感を狙った演出なんでしょうけど見づらいだけです。
それと、成田空港から韓国へ戻るのが物語のクライマックスなんですが。
そこから燃料の問題、着陸の問題、そもそも飛行機を下ろしていいのか問題、ウイルスの治療薬はホントに効果があるのか問題、と情報を詰め込みすぎたせいでやたら長く感じました。
ただでさえ物語がつまらなかったのに後半にやたら長く感じるので修行かなにかと思いました。
あと、OPで非常宣言っていうシステムについて説明があるのですが伏線回収が遅すぎてなんのことを話しているのか分かりませんでした。
僕の読解力が無いだけだろと思った方は1度見ることをオススメします。
理解できたら大したものです。
・まとめ
冒頭でも話した通り僕は韓国映画は好きです。
ただ、そんな韓国映画でもやはりものによるんだなと感じました。
ちなみに僕のオススメはパク・チャヌク監督のお嬢さんです。
あと、僕はこの映画が好きでは無いですがこの映画が好きな人そのものを否定する気はサラサラありません。
あなたがもしこの映画が好きであるならその思いは大事にするべきだし素敵なことです。