世界のおやつ戦争を終わらせる!三兄弟ママの社会課題への挑み方。
「ポ◯フル〜〜〜!!!!!!泣」
あれは確か2016年。
大阪市内で年子育児をしていた私は、ライフ天神橋店の2階に行くのが嫌だった。
イヤイヤ期真っ最中の長男が、お菓子売り場でわめき出すからだ。
1番最初の子だったため、薄味で育て、おやつはフレッシュな果物を存分に与えていたはずが、なぜか長男は市販のグミが大好きになってしまった。
パパや祖父母に「ママに内緒だよ」と与えてもらい、一瞬でその強力なフードトラップにの虜になってしまった。
” 仕 掛 け ら れ た 罠 ”
「フードトラップ」聞き慣れない言葉だろうか?
『ニューヨーク・タイムズ』紙記者のマイケル・モスが書いた『フードトラップ』を読んでほしい。
市販のお菓子は、消費者が食品を買い続けるよう、塩分・糖分・脂肪分の量をコントロールし、麻薬を摂取したときと同等と言われるほど強力な快楽を脳に与える罠が仕掛けられている。
まさに、「やめられない止まらない。欲しくてほしくてたまらなくなる。」
そしてこれは、脳に与える快楽濃度が濃いため、子どもの方が絶大な影響を受けてしまう。
「そんなお菓子ばっかり食べて!お菓子中毒やな!」
そう。あなたのお子さん、お孫さん、私の子ども達も完全なお菓子中毒だ。
自分の意志ではどうしようも出来ないのだ。
そして、肥満体質の子どもが年々増加し、アレルギー疾患が増え続け、生活習慣病を抱える大人の出来上がりだ。
” お や つ ス ト レ ス ”
当時、長男2才、次男1才。
四六時中子どもと一緒の生活を送っていた。
ご飯を座って食べた記憶がない。
(大阪での年子育児。この頃が1番辛かった。)
長男はとても可愛らしく、元気で活発だった。
スーパーのお惣菜にもかなり頼っていたが、2人の子どもには3食ちゃんと食べさせなければならない。
必死でご飯の準備をしている時にかぎって「お菓子くれくれ〜!」と騒がれる。
添加物まみれのお菓子を与えたくない。
歯磨きするのも私だから虫歯も気になる。
だけど、騒がれると「なんでもいいから静かにして!」と与えてしまう。
それだけなら、まだいい。
疲れている時に「お菓子くれくれ〜!」が始まると、怒鳴ってしまう。
こんなに可愛いのに怒鳴ってしまう。
小さな子どもに、大きな声で怒鳴り散らす。
長男から見た私はどんな顔をしていたのだろうか。
長男の寝顔を見ながら、何度も泣いた。
おかきや、芋け◯んぴなどを食べさせようとするが、見向きもされない。
やはり子どもは、甘くて、カラフルで小さくて、グミのようなお菓子を欲しがるのだ。
無添加のそんなお菓子を探したが見つからなかったが、この「おやつストレス」は常に私と子どもの生活に存在し、罪悪感や親子の涙を生み出していた。
” フ ル ー ツ 王 国 ”
実は、この頃から和歌山県かつらぎ町への移住の話は進んでいた。
私が建築会社を何社もクビにするので、遅々として家づくりは進まなかったが、定期的に土地の下見に通っていたのだ。
ある日、運命の光景を目撃する。
家の裏には柿畑が広がり、農家さんが軽トラで畑に向かっていた。
ふと畑を見ると、鮮やかなオレンジの柿をドババババ〜とコンテナごと棄てていた。
この瞬間。
「これ(廃棄フルーツ)でポ◯フルをつくろう!」と思ったのだ。
” 販 売 ま で の 4 年 間 ”
当時、私はWEBマーケティング会社の会社員で2人目の育休中だった。
お菓子づくりなんてしたことがない。
グミってどうやって作るの?
技術もない、お金もない、人脈もない。
同じく会社員の夫とブレストする中で、「せっかく地方移住するんだったら、地域に貢献しよう!」とがっちりタッグを組んだ。
そこから、たくさんの人に会いに行き、プレゼンし、協力をあおぎジタバタすること2年間。
大阪市立大学と奈良の大学と共同開発することになった。
開発は困難を極めた。
そもそも砂糖も何も入れず、ドライフルーツをグミのような食感に仕上げることが大変だった。
フルーツごとに乾燥温度、時間、湿度、カットの方法、乾燥台の並べ方などなど。全てにおいてパラメーターを仕上げるのに2年も要した。
和歌山県の補助金も活用したが、猪原家のキャッシュは全て投資ということでこの事業に回した。
「廃棄フルーツでポ◯フル作る!」と決意してから、販売までなんと4年間もかかったことになる。
この4年の間に、三男が誕生し、私は三兄弟の母となった。
” 3 つ の 社 会 課 題 ”
この4年間で3つの社会課題を目撃した。
【1】親子の抱える課題。
【2】果樹農家の課題。
【3】障害者福祉施設の課題。
私はこれらの課題を、和歌山県の廃棄フルーツ100%のおやつ「無添加こどもグミぃ〜。」で解決したいと考えている。
まず、▽親子の抱える課題だ。
■日本の子どもの幸福度が下がっている(先進国でワースト2位)
■育児ストレスを抱える母9割。感情的に叱ってしまったという回答が多数
■肥満児童 この40年で約4倍に増加
▽果樹農家の抱える課題
■果樹の2〜3割は流通前に破棄されている
■大切に育てた果物を捨てる心苦しさ
▽障害者福祉施設の課題
■コロナで仕事が減り、工賃に影響
■社会的意義のある仕事を求めている
親子の課題というものは実に様々で、その1つ1つは
当事者でないと実に小さく見えるであろう。
私が提唱する「おやつストレス」だってそうだ。おじさまには響かない。
しかし、その小さな育児ストレスは、大きな社会課題の種だということを忘れてはいけない。
虐待問題、子どもの幸福度低下などのニュースを見て、私は他人事とは思わない。自分も子どもを怒鳴ったり、叩いた事があるからだ。
母と子どもの365日の中に全ての課題は潜んでいる。
毎日のストレス、毎日の子どもへの言葉かけ、毎日の添加物、その毎日の積み重ねが母と子どもに与える影響、山の如し。
フードロス問題も同じく、いかにも大きな社会課題に思えるこの言葉には、農家の心苦しさが含まれている。
1年間大切に育てた果物を、自分の手で棄てなければいけない心苦しさが想像できるだろうか?
収穫される果物の約2〜3割は流通前に廃棄されている。
どの農家も、収穫のタイミングでポイポイ畑に棄てている。
そのままにすると虫がつくので、コンテナに集めて山や谷に捨てたりする。
知り合いの柿農家は毎年20kgはいるコンテナを20杯も山や谷に棄てていたそうだ。
この棄てるはずの果物を低価格で購入し、特殊な技術で加工すると『無添加こどもグミぃ〜。』に生まれ変わるのだ。
そして、地域の繋がりの中で出会った障害者福祉施設。
「無添加こどもグミぃ〜。」は和歌山県の障害者福祉施設で加工をお願いしている。
各作業所は、働いている人の工賃アップとやりがいある仕事を求めている。
しかし、コロナで業務委託が減ったため、仕事が減り工賃が下がってしまった作業所も多々存在している。
加工をお願いしている作業所の方に、「利用者さんに工賃をお支払いできるので、とても助かる。」と言っていただけ、とても嬉しかった。
また、「無添加こどもグミぃ〜。」の加工は、作業工程が多岐にわたるため、障害の程度によって参加できる工程が必ずあること、季節によって加工するフルーツが変わるため変化があること、そして「子ども達のお菓子になるんよ〜」と利用者さんに話すととても嬉しそうに働いてくれるとお話を伺った。
『無添加こどもグミぃ〜。』は規格外の廃棄フルーツを加工するため、人の手を介した丁寧な加工が必要になる。それを喜んで引き受けてくれる福祉施設の存在は大きく、本当に感謝しかない。
” 世 界 の お や つ 戦 争 を 終 わ ら せ る ! ”
この(おやつ戦争に惨敗している母 × 社会福祉施設 × 農家)の
ゴールデントライアングルで、私は、「世界のおやつ戦争」を終わらせる。
和歌山県の廃棄フルーツ約2万トンを全て「無添加こどもグミぃ〜。」並びに、無添加シャーベットや無添加ジュースにし、全国の悩める母に届け、日々のおやつ戦争に休戦をもたらすのだ。
今、「無添加こどもグミぃ〜。」はとても高い。原価が死ぬほど高いのだ。
昨日ざっくり計算すると、なんと原価7割は余裕で超えていた。(笑)
笑えない。笑えない。笑っているところではない。
認知を広げ、コストを下げ、どんな世帯にも買いやすくしたい。
そのノウハウがないので、助けてほしい。
コスト削減も含め、日本のおやつ戦争を3年で集結させた後は、
世界に打って出る。
世界へ行くには和歌山県の廃棄フルーツだけでは賄えない。
ゴールデントライアングルを各地方自治体に適用しながら、地域の課題も解決する。
日本のフルーツは海外で評価が高く、輸出も伸びている。
当事者でないと気がつかない、小さいけれど深刻な子育ての「不」を解決することで、地域も社会も良くなっていく。
私は自分の原体験からしか事業をスタートさせない。
これが、私の社会課題への挑み方だ。
” 絶 賛 爆 売 れ 中 ”
先月からインスタグラムだけで販売している「無添加こどもグミぃ〜。」が売れている。
販売開始5時間で150セット完売。
販売4ヶ月で定期会員350名突破。
現在、ショッピングカートを閉じているが、お試しセットだけでも購入したいと毎日要請を頂くため、お試しセットのみ購入できる状態にしている。
定期であれば価格が下げられるが、お試しセットを安くしてしまうと利益が出ないのでとても高く設定しているのだが、それでも毎日ものすごい数の注文が入ってしまう。
5,000枚発注したシールもついに昨日なくなってしまい、来週まで出荷できない状態だ。。。
カ オ ス で あ る 。
今日も保育園のお迎えが遅くなってしまいそうだ。
この「無添加こどもグミぃ〜。」を開発するきかっけをくれた長男も、6才になった。
今日もお迎えに行ったら、「遅いんじゃ!!!」と抱きついてくるだろう。
開発に4年もかかったせいで、長男はフードトラップにかかったまま添加物まみれのお菓子が大好きなのだが、次男とイヤイヤ期真っ最中の三男には間に合った。
「無添加こどもグミぃ〜。」が大好きで「ぐみちょーだい!」と言ってくる。
品薄なため全くあげられないのだが、これだったら、イライラしている時も「ちょっとこれ食べといてね」とあげられるし、果物だから、罪悪感も全くない。
新聞の見出しを飾る社会課題は、因数分解すると小さくて多様な「不」の集まりだ。
だから、
日々の育児ストレスを、小さいことと思うなかれ。
侮ることなかれ。
私は、これからも「母と子どもの365日」を幸せにしていくし、
子どもの寝顔を見ながら泣くお母さんがいなくなってほしいし、
全ての子どもが自分は愛されていると実感できる社会をつくっていきたいと思う。
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