C.G.ユングを詠む(007)-アニマ
C.G.ユングについて、河合隼雄先生が表された「ユングの生涯」の読後メモの7回目。
1~19項は、以前の投稿。文末にリンク先を掲載。
20.老賢者フィレモン
この項は、ユングのいう元型のうちOld Wise Man 老賢者「フィレモン」の話になる。
意識の階層図で、“Old Wise Man 老賢者”のところになる。
ユングが自分の意志の力よりも、無意識の動きに身を任せようとしてから、老賢者が夢によく現れるようになったという。
ユングはこの老賢者に「フィレモン」と名をつけた。「フィレモン」は自我より高いものと認識して、彼に頭を下げることを体験する。
『自伝』には、こう描写されている。
ユングはフィレモンと対話すると、ユング自身では到底知らないことや、思ってもみなかったことを言うことに気がついた。
21.アニマ
ユングは自分の無意識の中の一つの人格に女性がいることに気づいた。彼女も元型としてアニマと名付けた。
いかなる元型にもアクセスしたことのない私には、体験できていないことだ。
アニマとの対話はユングにとって議論、論争的であったようだ。その内容は、「ユングの生涯」にはあまり詳しくは書かれていないので、「ユング自伝」で確かめてみたい。
ユングの内的世界のアニマとの論争のためには、実在の女性の支援が必要と感じたようでその役に当たったのが、元々は抑うつ症の患者としてユングのもとを訪れた人で、トニー・ウォルフという、後に愛人といっていいのか親しくなる女性だった。
とにかく、内面の旅への伴侶として彼女が必要であったという。ユングの内面の葛藤をサポートするセラピスト的な存在であったのではないかと私は想像する。
しかし、外見的な美貌の持ち主ではなかったようであるものの、女神のような人であったと弟子の一人であるバーバラ・ハナはのこしている。
ユング夫人とトニー・ウォルフの関係は、衆目の関心を集めるところだろう。「ユングの生涯」には明確なエピソードは書かれていない。こちらも「ユング自伝」で調べてみたい。
ユングはよくこう言ったそうだ。
どうも、ユングの家庭では愛が溢れており欠如してなかったようである。ユング夫人は晩年にユングとトニー・ウォルフとの関係をこう語ったとのこと。
トニーは、1953年65歳で死ぬまでユングとの親交を続けた。年齢差は13歳下であった。
私は、ユング夫人のように寛容で器でかくないな。
22.無意識との対決の収束
1916年頃には、無意識との対決は収束を迎えつつあった。
彼の内面的体験は、『死者への7つの語らい』に著されている。1912円頃から始まった無意識との対決は凄まじかったようで、この対決を生き切ることで、ユングの心理学の基盤が完成したとされる。
「ユング自伝」では、こう記されている。
『死者への7つの語らい』の邦訳は、「ユング自伝2」の付録として収録されている。これはユングの死後に発表された著作になる。
ユングの成し遂げたことの全てが含まれているのであれば、次回は先に『死者への7つの語らい』の感想を書いてみる
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今回はここまで。私のバイアスのかかった気づきなので、わかりにくかったり、初歩的すぎるところはご容赦願いたい。ご興味を持たれたら、河合隼雄先生の「ユングの生涯」を手にされたい。
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こころざし創研 代表
ティール・コーチ 小河節生
E-mail: info@teal-coach.com
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