ユングを詠む_(021)『タイプ論』から『タイプの一般的説明(外向型)』
『タイプ論』から『タイプの一般的説明(外向型)』
『タイプ論』https://amzn.asia/d/2t5symt [3]の第10章『タイプの一般的説明』の紹介と感想の続きであるが、今回から何回か『外向型』の話になる。
1. イントロ
先回は、『一般的な構えのタイプ』、別名『一般的態度』
「外向(E; Extraversion)⇔内向(I; Introversion)」の話で、外向と内向の特徴を上げて終わった。
今回は、外向の特徴と外向の人の注意点(ネガティブっぽい)について詳述されているパラグラフになる。
症例のような記述が散見されるが『タイプ論』が上梓された頃のものであり現代のそれとは知見が違うことは認識が必要である。
2.[再掲]外向と内向の特徴
内向の特徴。
外向の特徴。
もう少し具体的なケースが追加で説明されていた。
世間の人が皆賞賛しているという理由で新進のミュージシャンを賞賛(外向)。
そのミュージシャンが自分の好みに合わないから賞賛しない(内向)。
とある評論家があるお酒を絶賛するので美味しいと勧められたので他人に勧めている。しかし勧めている本人はそのお酒の味がいいのか悪いのかわからない(外向)。
その評論家の好みと自分の好みが違うので絶賛しない(内向)。
こんな具合となる。
重要な決断や行動が主観的な意見ではなく客観的な状況に左右される場合、これを外向的構えと呼ぶ。これが習慣的になったものを『外向的タイプ』と呼ぶというわけだ。
3.『外向型』にとって正常な状態とは
よく読むとこのパラグラフでは、あまりメリットは書かれていない。これぐらいである。
(悲観しないでほしいが、変革を求めて外界に働きかけをする外向型もある。まだ、触れられていないだけだ。)
4.外向型の注意点
4.1主体としての構えが弱い
重要な決断や行動が主観的な意見ではなく客観的な状況に左右される場合、これを外向的構えと呼ぶ。これが習慣的になったものが『外向的タイプ』。
だから、客観的状況やその要求に直接応える形で考え・感じ・行動してしまうように生きているので、主体の主観的意見よりも客体の方が意識を決定する因子として大きな役割を演じている。
主体的な意見や考えを持つことが稀になり、客体に飲まれてしまい支配される可能性が高い。客体が破滅の方向に進んでいても気がつかないとか意見が言えない状態に陥りやすいという。
さらには客体・外界に振り回されて過労状態になりやすいという傾向があるようだ。
こんなふうに書かれている。
二つの世界大戦を欧州で体験したユングにとってこれが何のことかわかるでしょう。
そして身体と精神面での健康についても述べている。
ユングによると外向型にもっとも見られる神経症はヒステリーとのこと。当時の知見なので今とは違う可能性が高い。あくまで参考として欲しい。
(かなり、外向型に手厳しいことが書かれているが、自分の考えや直観を持って外界に働きかけていくタイプの外向型もあるので落胆しないでほしい。)
今回はここまで。
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参考文献[2] MBTIタイプ入門 タイプダイナミクスとタイプ発達編https://amzn.asia/d/70n8tG2
参考文献[3] 『タイプ論』https://amzn.asia/d/2t5symt
参考文献[4] ユングのタイプ論に関する研究: 「こころの羅針盤」としての現代的意義 (箱庭療法学モノグラフ第21巻) https://amzn.asia/d/aAROzTI
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こころざし創研 代表
ティール・コーチ 小河節生
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