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楽しいことを探し続ける僕の自己紹介

僕は活動柄、色んな方とお会いする。

そこでよく言われるのは

「オシャレですね」

「ステキですね」

「カッコいいですね」

といったお褒めの言葉というもの。

僕は謙遜も度を越すと嫌味になると思っているので素直にお礼を言う。

せっかく僕の良いところを見つけてくれているわけですから。

ただ、多くの場合はこのあとにもう一言くっついてくる。

それはこんな感じだ。

「全然、精神障害者に見えないですね」

今はもうすっかり慣れてしまったので笑いに持っていくようにしてるけれど

慣れない頃は「なに言ってんだ?この人」状態だった。

「精神障害者に見える人って何だよ!」と。

「褒めてんのか貶してんのか分からん!」と。

そう、僕は精神障害者なんですよ。

Ⅱ型双極性障害の当事者です。

それと線維筋痛症の当事者でもあります。

「我こそは天才」な躁状態

「生まれてきてすいません」なうつ状態を交互に繰り返すのでトラブルを起こしてしまうことも多い双極性障害と原因不明の慢性的な体の痛みに襲われる線維筋痛症と付き合いながら日々を過ごしています。

アメリカの歌姫、マライアキャリーは双極性障害でレディーガガは線維筋痛症であることを公表していますよね。

両方持ってる僕が歌ったらグラミー賞が獲れるかも…という妄想めいた冗談をたまに飛ばしてスベってます。

さて僕自身の話は本編で少しずつ綴っていくので少しずつ目を通してもらえたらと思います。

普段、僕はカミさんと楽しく過ごしながら

横浜ピアスタッフ協会(通称YPS)という当事者団体で活動しながら個別で依頼された講師や相談を受けたりしています。

YPSでは形式的に副会長をやっていますが特になにか決定権があるとかそういうことではなくあくまで形式だけです。

というか形式だけという気楽さが僕には向いていると思っています。

僕は責任感が強すぎる性格なので主治医から「責任が重い仕事は避けるように」と言われていて就労にあたっての意見書などにも書いてあるくらいです。

双極性障害だからなのかは分かりませんが思考のパターンに適当というものが存在していなくてずいぶん苦労しました。

今は適当過ぎて叱られてますが…(汁)

固定観念や既成概念を破壊するYPSという団体と出会ったことで僕はリカバリーできていると言っても過言ではないくらいです。

遡ること約7年前に横浜市内の精神障害者支援施設でピアスタッフをしていました。

おっと別にチケット売っていたわけじゃないですよ。

「ピア」というのは仲間という意味で医療の世界では自分が回復した体験(リカバリー)を元に今、困っている当事者のサポートや支援を行ったりする活動をピアサポートと呼びます。

ピアサポートは基本的にボランティアになるので交通費が出れば御の字というのが現状です。

実際に雇用されている場合はピアスタッフと呼びますので大きな違いとしては雇用の有無くらいで考えていてください。

精神障害だけでなくがん患者などにもピアサポートがあると聞きましたが

ここで私が使うピアという言葉は精神障害にまつわるものになります。

福祉の世界は資格世界。

多くの場合、社会福祉士か精神保健福祉士を保有していることが求められるので無資格、未経験だとこの世界に入るチャンスは激減します。

僕は高卒で無資格、未経験なのでピア以外で精神保健福祉に関わることはかなり難しいのが現状です。

ピアに求められる最低条件は「精神障害者であること」だけですからね。

僕がこの世界に飛び込みたいと思ったのは障害者として働いていくために利用した就労移行支援事業所を使ったのがきっかけになります。

そこで僕は初めて対人支援を受けて衝撃だった。

それまで僕はへんてこりんな書店やアパレルなど販売職ばかりを選んできました。

そこでお客さんの役に立てるスタッフでいることを意識して働いていたのですが、

会社組織である以上、利益との兼ね合いがあります。

お客さんに寄り添いすぎて利益を損なっては意味がない。

かといって利益だけを追求してお客さんをないがしろにしても意味がない。

このバランスに僕はずっと苦しんでいたのですが福祉はそれが必要ない。

必要ないというのは少し言い過ぎかもしれませんが常に支援対象者を最優先にして物事を進めていける福祉に触れたとき

「これがずっと探していた理想の仕事だ」と思いました。

そして絶対にこの世界に入ることを目標に訓練を受けていました。

このへんの詳しい話はいずれ本編で綴ることにします。

さて、僕は幸いなことに入院経験がありません。

とはいえ自宅療養もそれはそれで大変なのでどっちが大変か比較はできませんよ。

けれど精神障害になったから不幸だとは全く思いません。

線維筋痛症との合わせ技で諦めざるを得ないこともありますが不幸だとは思っていません。

この二つの疾患と付き合いながら生活することで今までとは違う価値観や考え方と出会うことができました。

僕にとってそれは新しい世界との出会いだと思っています。

中途半端に健常者の価値観で生きる方が僕にはしんどかった。

できないことの多さに苦しむよりできることを探し続けられる世界にいる方が可能性はぐんと広がることに気付いたからです。

実際、僕はピアサポートに携わり続けた結果、仲間と一緒に本を出版することができました。

自分で言うのもなんですがかなり画期的な本だと思います。

その名も「精神障害者が語る恋愛と結婚とセックス」

あいのほん

この本で僕は仲間からの原稿を編集しつつ自分の経験も執筆するという今までにない経験を積むことができました。

僕は発症時、すでにカミさんと交際していたので恋愛と結婚パートを中心に自分の体験を綴りつつ「性についての架空の座談会」を担いました。

詳しくは…買ってほしいとは思いますがお値段2千2百円と少々お高め。

kindleだともう少し安い…といっても数百円ですが。

あちこちの図書館にも置いてあるようですので気になる方は少し調べてみてください。

恋愛は人としての権利みたいなものなので誰が読んでもそれなりに役に立つような気がしています。

あ、恋愛指南本の類ではなく、あくまで体験談を集めて読んだ人に考えてもらうという形なので「こうすべし!」みたいな本ではないです。

精神障害者の日常もちょっと垣間見えると思うので自画自賛ですが面白いと思いますよ。

と、宣伝になってしまいましたが…

初めてピアの世界に飛び込んだ時、全く想像できなかった未来を僕は生きています。

先ほどの本がきっかけで本の責任者でもある大阪大学の蔭山教授を中心に始まった精神障害者と恋愛についての研究、

その名も「あいりき」に協力したり大学などで講師を経験させてもらったりと次から次に面白いことが舞い込んできてワクワクすることばかりです。

適度に忙しいおかげで2年半、躁にもうつにもならず安定した生活を送っています。

他にもコツはあるのですがそれも本編でじっくりと。

僕はあちこちで自己紹介をすると何をやってる人なのか分からないという印象を持たれることがあります。

いや、僕もよく分かってないんですよ。何をやってるのか。

依頼があれば断らないスタンスにした結果、色んなことに挑戦しているもので。

何しろ僕の原動力は「好奇心」と「悔しさ」なので気になったらとりあえず飛び込む、ダメなら出直す。

それを繰り返しているうちにいろんな経験を積んで毎日を楽しく過ごせるようになりました。

大変なことはあって当たり前。

でも今はそれすら楽しいと思える。

僕は今「障害があっても楽しい人生を送る」というようなテーマで活動をしています。

楽しいことが多ければ元気でいられる時間も増えるんじゃないかと思っているからです。

何よりも国や行政が「単身生活」と「就労」ばかりに目を向けて「遊び」をほったらかしにしていることに納得がいかない。

先に恋愛や趣味があったっていい。それが動機で働くほうがきっと仕事も楽しめると思っています。

もちろんバカにされることもあるし反発を食らうこともあるけれど、

それもいずれ静かになるんじゃないかなぁ。

僕が障害者としてもがいて苦しんで見えてきた価値観だから他人にはなかなか理解できないのも仕方がなくて

そのことで一喜一憂していたら前に進めない。

だから僕は楽しいことが好きな人をずっと探しています。

今まで二の次にされてきた恋愛や遊ぶことを地域生活における要素として真剣に考えてくれる人が増えたら世の中全体が楽しくなると思ってるのは僕だけなのかなぁ…

ま、このことについても追々、綴っていくことにしますね。

さてさて自己紹介がすっかり長くなってしまいました。

にもかかわらず最後まで読んでくださり本当にありがとうございました。

移動時の暇つぶしなどに読んでくださったら嬉しいです。

あ、眠れない夜に読んだらすぐ眠くなるかもしれません。

いいんだか悪いんだか…はは。

それでは今後ともどうぞゆるっとお願いいたします。

ってなとこでアディオース!


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