バンド精神
今月、僕は久しぶりに都内で講演する機会をいただいた。
もともと「精神障害者が語る恋愛と結婚とセックス」に原稿を書いてくださった新宿フレンズという老舗家族会の方が企画していたもののコロナ禍によって延期。
こりゃ永久に延期か…と思っていたら再び声をかけていただいたので仲間とともにお邪魔してきた。
有難いという言葉では足りないくらい僕は嬉しかったし仲間も同じような気持ちだったと思う。
僕はこうした機会をいただいた際は基本的に仲間を連れて行くことにしている。
講師の場合は難しいけれど講演だと先方も歓迎してくれることが多い。
医療関係者や専門家であれば1人でもいいと思うけれどピアサポーターの場合はそれぞれ全く異なる経験をしているので僕1人よりも何人かいたほうが参考になると思うから。
あとは単純に僕の話を延々聞かされるのはしんどいと思う。
少なくとも逆の立場で考えたときによほど面白いか興味深くない限り一人の話を聞き続けるのはしんどい。
…と言いつつも今回はがっつりと漫談をしてきましたが。
僕はもともと話したい人がいるなら話せばいいし
もしいないなら話しますよというスタンスなので出ずっぱりというのが実はかなり嫌い。
目立つ服装をしているので目立ちたがり屋と思われているけど完全に誤解で僕は好きな服を好きなように着ているだけなのだ。
お…疑いの眼差しを感じるな…。
と、どうでもいいですね、はい。
さて僕はいつからこういう考え方なのかなと振り返ってみたらバンドをやっていた頃かなという気がする。
バンドと言っても仲間内でやっていた趣味みたいなもので「いつかは武道館」なんてことは全く考えず、
ただリハスタに入ってでっかい音でわーわーやってるレベルだった。
とはいえ、たまーにライヴに出してもらっていたからアンサンブルだけはかっちりやっていた。
ギターが歪みすぎてないかな…とかベースの音が小さいな…とかは常に意識をしていてパッと聞いたときにバランスよく音が出ていることだけは大切にしていた。
音のバランスが整っていると多少は聞こえが良くなるので未熟さをカバーするためにやっていたことでもあるけれど…。
何よりもバンドなので一人だけが目立つのは嫌だった。
特にギタリストはソロパートがあるのでボーカルと並んで嫌でも目立つ。
だから少し引っ込んでるくらいが良いと僕は思っているのでベースの隣で弾いていることが多かった。
でもそうじゃない人もいるわけである。
下手くそな上に歪ませすぎて音が潰れてしまい爆音のノイズになっているのに前に出ていくから注意すると逆ギレされてしまい仕方がないから僕が少し音を上げると「うるさい」とか言われちゃったりしたこともあったし、
NIRVANAのカバーをしているのにメタル系のえぐい歪み方をするエフェクターを使おうとするので交換するように頼んだら持たざるものの僻みみたいに言われちゃったりと散々な目に遭ったこともあった。
バンドというのは一体感を持っているからバンドと呼ぶわけで言うならば協調性で成立する。
メンバー全員で一つの方向、一つの形を作って進んでいくものだと思う。
で、この考え方が僕にとってのピアサポートとほぼ同じだなと。
それぞれの得意分野(楽器)でピアサポート全体(アンサンブル)を作り上げていく。
冗長な語り(ソロプレイ)が心地よいのは語っている本人だけでリスナーからすると退屈…というか観客席を見たら一目瞭然、寝てるかスマホいじってます。
音楽だと分かりづらい方は「朝礼のときの校長の話」とか「終業式の校長の話」を思い出してみると分かるかもしれません。
あの「話がなげーよ…」というかったるさ。
まさにそれです。
なので僕は一人で講演に行くよりも何人か仲間とともに行って色んな立場や視点を届けたいというわけです。
これぞまさにバンド精神というわけです。
世の中というのは例え自分自身が有益だと思って話をしても相手にも同じように思ってもらえるとは限らない。
聴衆が静まり返っていたらただの自己満足でしかない。
そのことを僕は痛いほど知っている。
だから僕はこれからも仲間を連れて行くし声をかけてもらったら喜んで一緒に行く。
みんなで盛り上げていきたいじゃん?
一人で戦うにはちょいとばかり荷が重い世界ってのもあるけれど。
みんなで全体を押し上げてく。
それが未来に繋がっていくんじゃないかと思っています。
今回のテーマでドラクエに置き換えるか悩みましたがカッコつけたかったのでバンドにしましたとさ。
めでたしめでたし!
ってなところで今日はこのへんで。
季節の変わり目で体調を崩しやすいので皆さまご自愛くださいませ。
ではではアディオース!
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