作者の気持ちを答えなさい問題

 一人称が〝私〟である名前のない(架空の)主人公について言及する時「この時の〝私〟の気持ちを答えなさい」みたいな設問になるんだけど、これが架空の話であり「私≠作者」だと気付いてない人が「作者の気持ちを聞かれた」と大人になってからもずっと思い込んでるっぽい。

 国語の成績が悪かった人はそもそも問題の意味を読み解く能力がなく「作者の気持ちを答えなさい」という問題が〝本当に〟出たと思い込んでいて、こういう人たちが国語教育には意味がないとかあまつさえ害悪だとか主張してる。
 数学の成績が悪い人が「因数分解なんて将来なんの役に立つんだ?」と言うのと同じで。彼らは数学が理解できないのでそれを役立てることが本当にできない。
 これは一種の〝盲〟である。自分がその存在を認識できない・あるとすら思えないものが、実際にはどうやらあるらしく、まわりの人たちにはちゃんとそれが見えているらしいと仮定してみるのにはメタ認知が必要だ。しかしメタ認知に至るにはまずそれなりの知性が必要で……

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