ハレルヤチャンス!
近所に、並外れた旨さの手打ち蕎麦屋がある。夏場は開店後30分で営業終了になる程の人気店。この店にはかれこれ二十年近く通っている。
初めて訪れたのは父の会社で働いていた時。感動して毎日のように開店時間に合わせて通い詰めた。注文はいつもザル蕎麦大盛り。
父はいつも豪快に蕎麦をすする。そして、カッターシャツに汁が飛ぶ。あー旨い!今日の蕎麦はどこの小麦?と聞く。よく笑った。良い思い出の店。
その蕎麦屋に妹が臨月の時4人で行った。
私と父はザル蕎麦大盛り。妹は何か忘れたw 母はキノコ蕎麦を頼んだ。 食べ始めてすぐ、一口で母はお腹がいっぱいだと言い、残りをみんなで食べて欲しいと言った。何を言ってるんだふざけるなと。作り手にも支払う父にも失礼だろと。みんなで何とか食べるように言うも食べなかったので、みんなで手分けして食べた。
私たちは母にムカついていた。
今ならわかる。
あの時すでに母の体に異変が起きていたと。
あの時、一口しか食べない母を心配する事は無かった。お昼ご飯食べてない事を知っていたのに。食べたく無いのではなく、食べられない事を考えもしなかった。
これが友達だったなら心配していただろう。
何で母を心配しなかったのか。
この時気付いて無理矢理病院に連れて行けば何か変わっていたのかな。
時間よ戻れ。
いや、私の命を削ってでも戻りたい。
時計の針が左回りになりますように…と祈り眠ろう
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