心室中隔欠損ベビーの通院記録その1:いざ、初めての小児科へ
出産後4日で心室中隔欠損と診断されたみーくんが、我が家に来て1週間後のお話。
退院後、夫と一緒に色々と病気について話したりはしましたが、NICUの先生が言っていたとおり、それこそ育児本の通りというか…病気であることを忘れるくらいには大変でした。1人目の子供なので、右も左もわからず育児に奔走している間に時間はあっという間にすすみ、退院後1週間で、この病院に戻ってきてしまいました。この日は、初めての小児科の日。
受付の方から「みーくんのお母様」と呼ばれたり、親族以外の人からみーくんと呼ばれると、少しずつ、あぁ、社会にこの子の名前が認知されていくんだなという実感が湧いてきます。
小児科とか病院で、私を”みーくんのお母さん”としてしか認識していない人たちが、私をお母さんにしてくれるのかもしれないな…と、真新しい診察券を手に、そう思いました。
産まれた時の体重は2800gだったみーくん。小児科の受診前に体重と身長計測をしてもらったら、3200gに増えてました!すごい!おおきくなってる!えらい!
ちなみに、みーくんの生まれた病院はキラキラな個人産院ではなく、市立の総合病院です(私はハイリスク妊婦だったので、立ち会い出産や無痛分娩は諦めざるを得ませんでした。悲しい。私もきらきらなお祝い膳とか食べたかった。アロママッサージされたかった)
なので、初診には紹介状が必要だったりでそこそこに待ち時間がかかったものの、やっと診察に呼ばれ、優しそうな男の先生に色々とお話を聞かれました。
診察室では、だいたいこんなことを聞かれた気がします。
・母乳やミルクはどれくらい飲むか(分量と回数)
・その量を飲み切るのに何分くらいかかるか
・飲んでる最中に汗をたくさんかいていたりするか
・1日のおしっこの回数
ミルクの量やおしっこの回数などは、「ピヨログ」というアプリで細かく記録をつけていたのでさっと答えられたものの、その量のミルクを飲むためにかかった時間などはちょっと気にしていなかったので、次からはある程度時間を測ってみようと思いました。
この頃のみーくんは、60〜80mlのミルクを飲み切るのに、15分かけて半分飲んで…、げっぷして休んで、そしてまた15分かけて残りを飲んで…飲みきれずに寝て…、みたいな感じでした。先生にそれを話すと「一般的な赤ちゃんより、かなり時間がかかっているね」とのこと。そうなのか。私たちにとっては初めての赤ちゃんなので、それが普通のような気がしてしまっていました。
ミルクを飲むのに時間がかかるのが、心室中隔欠損のせいなのかは特に言及していませんでしたが、今思うと、やっぱり疲れやすいタイプなんだなあと感じます。
問診の後は、心臓エコー。退院時では分からなかった穴の大きさや位置がこれではっきりします。
妊婦健診で、自分のお腹のエコーを何度も見てたから少し見慣れてきたのか、画面を見てみると、穴となってる部分がどこなのかはすぐ気がつきました。
白い線が、途切れている。
角度を変え、何度も観察。一緒に来ていた研修医っぽい先生に、ここがこうだね、とか言いながら、一緒にエコーを見てる。穴の部分の計測のため、端末に線が引かれ、画面に数字が出る。弁の動きや血液の動きが画面に写される。
エコーを見ながら、私はこんな精巧な器官をお腹の中で作りあげたのかと驚きを感じる反面、誰でも当たり前に作り上げるこの器官を、正しく完成させてあげることができなかったという、後悔と申し訳なさを感じました。
自責の念など持ってはいけないと分かっていても、妊娠中つわりだなんだと弱音を吐いていないで葉酸をもっと摂ればよかったのかとか、栄養が足りていなかったのかとか考えてしまう。
人間は、受精後3週間で心臓ができるらしいけど、その頃といえば、まだ妊娠に気がついていなかったとはいえ、無茶な残業しまくって、結婚式でコーヒー飲んで、ライブで飛び跳ねて…とかしてた頃だなとか。
考えるだけ無駄で、精神衛生上良くないとわかっているのに。
そんなことを考えているうちに、エコー検査が終わりました。
先生からは、穴のサイズは6mm程度といわれ、衝撃。心室中隔欠損についてネットで調べたときに、確か2mmくらいが小さい欠損で、5mm以上は大きな欠損と定義されているという記述があったのを思い出したから。
こんな小さい体の小さい心臓に、6mmの穴というのは、とても大きいものに感じます。
穴の自然閉鎖の可能性については、まだなんとも言えないものの、先生のその口ぶりから、あまり望めないものなんでしょうと察していました。
先生が言うには、みーくんは今後、手術となる可能性があること。その判断は3ヶ月4ヶ月あたりで手術すべきかの判断になるとか。6mmは割と大きめの穴だけれど、体重の増加が順調なら、もしかしたら手術の可能性は避けられるかもしれないとのこと。ただ、みーくんの場合は穴の位置が心臓の弁の近くなので、弁の動きに影響するような塞がり方をしそうなら、それも手術するべきケースになるとのこと。
先生は心臓の図を使って丁寧に説明してくれたので、夫と私は十分状況を理解できました。心配ない、というわけにはいかないものの、しばらくは普通の子と同じような生活をしていていいということがわかり、少し安心。
診察が終わり、先生に丁寧に挨拶をして診察室を出て、会計へ。
ほんの1ヶ月前、大きなお腹で、ワクワクしながら通った産婦人科の前を通り過ぎる時、いつも妊婦健診をしてくれていた先生を見かけました。何人も妊婦さんが、幸せそうにお腹を撫でています。
そっか、私もそうだったな、と思った時にはもう遅かった。張り詰めていた気持ちの糸が切れたようにどんどん涙が溢れてきて、止められませんでした。
車の中で、チャイルドシートの中におさまる小さなみーくんの手を握って泣きました。
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