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息子が生後4日目に心室中隔欠損と診断されるまで

産まれた直後のみーくんは、それはそれはとっても元気でした。
産声はちょっとビックリするぐらい大きな甲高い、金切り声にも近い声で「ピギャアァァァァァーーーー!!!!!」と泣いて、ちょっとギョッとしました。

退院の日の前日。
夕ご飯も終わり、翌日着る服を準備して、それはもう超ワックワクで退院準備をしてましたら、夜8時半ごろに入院中の個室のお部屋がノックされました。カーテンから顔を出したのは、スクラブ姿の先生。

「お、明日の退院に向けて診察か何かかな?でももう消灯直前のこんな時間に?それにみーくん寝てるから起こさないで欲しいな…」とか思ってた私。

お名前を教えてくれた先生は、NICUから来た先生でした。
話を聞くところによると、生まれてすぐ退院に向けていろいろな検査をしていたところ、みーくんには心雑音が見られるということだそうです。
それにはちょっとびっくりしたものの、私も結構会社の健康診断で心電図や内科検診でよく不整脈でひっかかるので、みーくんにも同じような不整脈(心室性期外収縮と言うらしい)があるのかな?というくらいの感じで聞き始めました。

でも、なんだかそういう感じじゃないみたい。

先生「みーくんは、心臓の中の右と左の心室を隔てる壁に穴が開いています。」

…心臓に穴?逆流する?先天性心疾患。心室中隔欠損。なんだろうそれ。気持ちがざわざわしてくる。
ただ、なんかそういう疾患があったような記憶はあった。臓器に穴が開いているみたいな。肺だっけ?あれ?コウノドリで見たのかな?ドラマの話?

そんな時でも、つい人からの見え方を気にしてしまう私は、「そうだ、ここで取り乱すようなことをしたら先生を困らせてしまう。ここは一つ、冷静で理解のある母親でなくてはならぬな」と思い、とても落ち着いて聞いていたつもりです。
受け答えはしっかりと丁寧に。そして、最低限の今聞くべきことだけ、聞かなきゃと。

私「それは、治療が可能なものなのですか?」
先生「はい。でも、今の病棟では検査ができないので、改めて外来で小児科に来てもらって、心電図やエコーで穴の大きさや位置を確認して、その後どうするかを決めていきますね。」
私「命にすぐさま別状があるものだったりはしない、ってことでしょうか」
先生「ええ。心臓に病気のあるお子さんの中の半数が、この病気っていうくらい症例の多いものなんですよ。」
私「そうでしたか…。明日退院するにあたって、家での生活で何か気をつけることはありますか?」
先生「うーん、今のところはまだ自覚症状や、本人が辛いとかってことはないと思います。
体が大きくなってくると、心臓の負担が出てきて少しずつ哺乳力が落ちたり、その結果体重が増えていかないということが起こるんですが、次の診察までは何か気にすることはないですよ。」

先生はとてもしっかり説明してくれて、現状は必要以上の心配はないということは、頭では理解できました。
そのはずなのに、途中から涙が溢れてきてしまう。
ごめんなさい、びっくりしましたよね、と優しく声をかけてくれる先生。何か心配なことは他にありますか?と聞いてくれましたが、今すぐ聞かなきゃいけないと思える質問は出てこなくて、「大丈夫です」と言いました。

先生が出ていってからも、気持ちの落ち着かせ方がわからなくて、すぐ夫に電話しました。夫は涙声で電話してきた私に「どっ、どどどどうしたの!?落ち着いて!」と慌てていました。そりゃそうですよ、さっきまで楽しくLINEしてたんですもの。
そして、今しがた先生から聞いた話をなんとか伝える。
電話越しに、夫は病名の情報をすぐ調べてくれたらしく、自然に塞がることがあることや、結構よくある病気であると言っているけど、それでも、どうしてもすぐには涙は止められない。
そんな私に、夫は「あやののせいではないんだよ、みーくんのせいでもない。きっとこれは誰のせいでもないんだよ、大丈夫だよ」と、ずっと励まし続けてくれました。
3-40分くらいずっと話を聞いていてくれたおかげで、私は、少しずつ自分の気持ちを落ち着かせていきました。

…そんな私の傍らで、何の心配もなさそうにスヤスヤと眠るみーくん。呑気なもんですね。かわいい。
こうして見ている分には、何も他の子と変わらないのにね。

夫との電話を切ってから、その日の夜はかなりギャン泣き大暴れをかましました!抱いてはピーピー、置いてはギャン泣き、おっぱいは吸わない、寝ない。おいおい頼むよ…はっはっは
病気を心配してネットで検索魔になったり、落ち込む余裕すら、一切私に与えない、親孝行なみーくんです。

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