私の絵の描き方
POPなイラストを描くために
友人に絵を描いてくれと頼まれて二つ返事で承諾したが、早くも一カ月くらい経ってしまった。
その友人は、元気の出るPOPな絵柄のバースディカードを送りたいそうで、そのイメージを上手くとらえる為に、一週間くらいPOPとは何ぞやということを考えたりした。
下書きで悩んで一週間。その下書きを友人に見せたら、「動物が描かれている絵が好きだ」と言う。
そうしてさらに一週間、と気が付けば、早一カ月が経とうとするのである。
実は、イメージへの理解の他にもう一つ課題がある。それは、POPな絵柄ということ。どちらかというと私は写実画が得意なので、友人の求めている 漫画の表現に慣れていない。
だから、写実画から漫画へ表現を変換する為の習作をしばらく描くことにした。
写実画から漫画への変換は、光と影の関係を追の表現から陰影を線で表現する東洋の表現への道のりとも言える。
写実から漫画への変換の為の習作を公開してみようと思う。
習作は3つの工程に分けてそれぞれ補足の説明書きをした。
①光と影を捕らえて、配置の整合性を確認する
私の絵は独学なので、他の絵を描く方々がどうやって描いているのか分からないが、私はまず光と影の配置で形をとらえて描きだす具体の凹凸理解するところから始める。
この過程では、自分が理解できるまで影と光の関係を追う。
画像では、だいぶ肌ががでこぼこしているが、今回は漫画にするので細かいところは気にせずに理解をすることを目的に進める。
この方が後々まで整合性が保てるので私はこうしている。今回は単色だが、この時に凹凸の配置を頭に入れておくことで、色や影を付ける時にやり直しが少なくて良い。
②影から線を取り出す
ここで、今まで追ってきた影の一番暗いところだけを残して、後は全部捨てる。単純に影だけを残す。その線が全て。
人の顔は複雑な凹凸の組み合わせなので、線が細かくて画面がうるさくなるようならば、全部捨てる。
余談だが、漫画界で鼻を点で書くのを発明した方が日本にご存命だと聞くが、その噂は本当かしら?と思う。
そして残った線を整えていく。
③再び陰影の印象を足す
白と黒の間の明度を1つ決めて入れる、それを元に明るいところと暗いところを描きこんでいく。
漫画は情報を最小化かして雰囲気を伝える優れた表現方法。
最大でも明度は画面の中で8段階くらいのうちに抑えたい。
が、やはりついつい描きこみ過ぎてしまう。
何を表現するために、どこを描いてどこを捨てると効果的かは、
結局、経験によってしか得られないだろう。
「芸術は場数だ!」の所以である。
さいごに
写真のような絵からシンプルな漫画へ向かう過程ではそのほとんどと言える部分を捨てて描いていくことが必要。物足りないくらいが丁度良い。
何だか断捨離する気分に似ている。これもまた東洋絵画表現の特徴の一つだと思う。
Nyonyonyam