パキスタン南部のシンド州
パキスタン南部のシンド州は、歴史的に重要な土地であるだけでなく、文化と伝統が深く根付いた地域でもあります。インダス文明にまで遡る歴史を持つシンド州は、パキスタンの文化、芸術、歴史の物語を形作る上で極めて重要な役割を果たしてきました。
州都は、港町のカラチで、パキスタンの重要な貿易拠点として機能しています。カラチにはパキスタン建国の父であるムハンマド・アリー・ジンナーの霊廟を始め、歴史的建造物がたくさんあります。また、産業・商業の中心地であるハイデラバードには、シャー・カルホロの霊廟など、数多くの美しい遺跡が保存されています。
シンド州はアラビア海に面し、東側にはタール砂漠があり、西側にはキルタル山脈があり、インダス川を越えて、バローチスターン高原へと続きます。
シンド州のお土産で有名なものに、シンディ・アジュラック、シンディ・トピ(帽子)があります。 アジュラックは、インダス渓谷の伝統から伝わるもので、深い深紅の赤とインディゴブルーの背景に、複雑な幾何学模様が施されています。シンディ・トピは、複雑な刺繍と鏡細工で飾られた伝統的な帽子で、シンド州の象徴的なシンボルです。
シンド州の人々は、お祭りや儀式でアジュラックとトピの贈り物を交換します。子供や女性もアジュラックの衣装を着て盛大な集会に集まります。
シンド料理は、この地域の歴史と地理の影響を受けた風味が融合したものです。シンド料理では米が中心的な位置を占めており、シンディ・ビリヤニは人気の定番料理です。また、淡水魚などの魚を使った料理も豊富にあります。シンド料理には、中央アジア、南アジア、中東料理の影響が広く見られます。
シンドの人々は文化を継承するため、毎年12月の第1日曜日に、文化の日を祝います。これは、パキスタン国内外のシンド人、つまり世界中のシンド人が祝うものです。人々はシンディ・トピを被り、アジュラックを身にまとい、伝統的な民族衣装を着て、何世紀にもわたる豊かな文化を盛大に祝います。
豊かな歴史と多様な伝統を持つシンド州は、パキスタンの文化の宝庫です。シンド州は文化遺産にしっかりと根付いており、パキスタン人にとってインスピレーションと誇りの源となっています。シンド州の文化は、過去、現在、未来の活気に満ちた部分でもあり、パキスタンの色彩豊かな文化的景観に貢献しています。