ガラス越しに合わせた手
認知症のわたしの祖母
今は離島からうちの近くの施設に入っている
去年までは頻繁に会いに行ったり、たまにうちに泊まりに来たりしていたけれど、コロナ渦の中では面会が禁じられた
"自分のことだけで良い"わたしたちから比べると、施設の方々は祖母のような患者を守るためにとにかく些細なことから気を配り様々な対策をしてくださっていること、感謝してもしきれない
そして先日、久しぶりに祖母に会えた
もちろんガラス越しに
祖母はわたしのことはもう覚えていない
けれど「来てくれてありがとうね」と微笑み、ガラスの向こう側へ行く方法を何度もなんども聞く姿は胸をぎゅっと締め付けた
きっとあともう少し
間のガラス一枚外せる日がきたら、しわしわのその手をぎゅっと握ろう
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