酸逆流薬の長期使用で認知症リスクが高まる可能性

2023年8月10日 21:56

https://www.news-medical.net/news/20230809/Dementia-risk-may-increase-with-long-term-use-of-acid-reflux-drugs.aspx

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レビューノート

レビュー者：Lily Ramsey, LLMA 2023年8月9日
プロトンポンプ阻害薬と呼ばれる酸逆流症治療薬を4年半以上服用する人は、服用しない人に比べて認知症リスクが高い可能性があることが、米国神経学会の医学雑誌Neurology®オンライン版2023年8月9日号に掲載された新しい研究で明らかになった。この研究は、酸逆流症治療薬が認知症の原因であることを証明したものではなく、関連性を示したに過ぎない。

酸逆流とは、通常食後や横になっているときに胃酸が食道に流れ込むことをいう。酸逆流のある人は胸焼けや潰瘍を経験することがある。酸の逆流が頻繁に起こる人は、胃食道逆流症（GERD）を発症する可能性があり、これは食道の癌につながる可能性がある。

プロトンポンプ阻害薬は、胃酸を産生する胃粘膜の酵素を標的として胃酸を減少させる。

「プロトンポンプ阻害薬は、胃酸の逆流を抑えるのに有用な薬ですが、長期間の使用は、脳卒中、骨折、慢性腎臓病のリスク上昇につながることが過去の研究で報告されています」と、研究著者であるミネアポリスのミネソタ大学公衆衛生大学院のカマクシ・ラクシュミナラヤン教授（MBBS、PhD）は言う。「それでも、これらの薬を定期的に服用している人がいるので、認知症のリスクが高いかどうかを調べました。短期間の使用との関連は認められませんでしたが、これらの薬剤の長期使用に関連した認知症リスクの高さは認められました」。

この研究は、研究開始時に認知症でなかった45歳以上の5,712人を対象とした。平均年齢は75歳であった。

研究者らは、研究参加者が酸逆流症治療薬を服用しているかどうかを、研究参加者の受診時および年1回の電話連絡時に薬を確認することによって決定した。その結果、1,490人（26％）が薬を服用していた。次に、参加者は薬の服用有無と服用期間によって、次の4群に分けられた：薬を服用しなかった人、2.8年まで服用した人、2.8年から4.4年服用した人、4.4年以上服用した人。

参加者の追跡期間は中央値で5.5年であった。この間に585人（10％）が認知症を発症した。

薬を服用しなかった4,222人のうち、415人が認知症を発症した。人年とは、研究に参加した人数と、各人が研究に費やした時間の両方を表す。4.4年以上服用した497人のうち、58人が認知症を発症した。

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年齢、性別、人種、高血圧や糖尿病などの健康関連因子を調整した結果、4.4年以上逆流性食道炎治療薬を服用している人は、一度も治療薬を服用したことがない人に比べ、認知症発症リスクが33％高いことがわかった。

しかし、4.4年未満しか服用していない人の認知症リスクは高くなかった。

Lakshminarayan氏は、「今回の結果を確認し、プロトンポンプ阻害薬の長期服用と認知症リスク上昇の関連性の理由を探るためには、さらなる研究が必要です」と述べた。「酸逆流を治療するには、制酸剤の服用、健康的な体重の維持、遅い時間の食事や特定の食品の摂取を避けるなど、さまざまな方法がありますが、人によって異なるアプローチが有効とは限りません。これらの薬を服用している人は、自分に最適な治療法について話し合うため、また、これらの薬を突然中止すると症状が悪化する可能性があるため、何らかの変更を加える前に主治医に相談することが重要です。"

この研究の限界は、参加者は年に一度、薬の使用について質問されたので、研究者は年に一度のチェックインの間の使用量を推定したことである。参加者がチェックインの間に酸逆流症治療薬を中止したり再開したりした場合、その使用量の推定は不正確であった可能性がある。著者らはまた、参加者が市販の酸逆流薬を服用しているかどうかを評価することもできなかった。

本研究は、米国国立心肺血液研究所を含む米国国立衛生研究所の支援を受けた。

出典
米国神経学会

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タグ酸逆流, アルツハイマー病, 血液, 血圧, 骨, 脳, 癌, 慢性, 慢性腎臓病, 脳震盪, 認知症, 糖尿病, 医師, 薬, てんかん, 胃食道逆流症, 心臓, 胸焼け, 高血圧, 腎臓, 腎臓病, 片頭痛, 多発性硬化症, 神経系, 神経科学, パーキンソン病, 公衆衛生, 研究, 性硬化症, 胃, 脳卒中

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最終更新日 2023年8月10日木曜日

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