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海月達のひかり


台風が近付いてきている

カーラジオのチューナーが

合っていなくて

ザーザーと海辺の潮騒に混ざる

うなりをあげて波が高く

浜辺に投げ出された海月達が

日差しに照らされて

涙のように光っていた

海に帰りたいのだと

それをみて美しいなんて

言っていいのかわからないけど

上手く波に乗れなかったと

綺麗な涙のように光るから

私はそこから動けなくて

その姿を息を呑んで見つめてしまう

宙を旋回するトンビの鳴く声が

見守ってくれているかのように響く

もっと自由に泳いで

何処に打ち上げられても

私もそんな涙を光らせてみたい

怖いのは一緒なんだろうね

大きな波にさらってもらうんだよ

 夏の涙 

また何処かで ありがとう

空には鱗雲が広がっていた


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