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Photo by
snafu_2020
詩│光る羽音符
雨あがりの朝
蝶々が窓辺を横切る
洗濯物を干す手元にも二羽
梅雨の晴れ間を
喜んでいる
緑雨がしみた植物達の根は
深呼吸をはじめたように緑を濃く輝かせ
山あいの
川のせせらぎは
あなたへと向かうきもちに
音符がついたように
流れ行く
小川の岸辺の雨上がり
細長く褐色に光るシルエット
ミヤワカトンボ
岩場にとまり水の音を聞くように
ゆっくりと羽を動かす
ふわりと夏へ
晴れ間に懸かる虹のように
ペアのトンボが
羽を広げると鼓動のかたち
ふわりと夏へ
雨に濡れた羽を
光りに干し上げるように
トンボの鼓動が音符になって
風に乗って行く