母の音
人生において
難しい事はあまりわからない
最近は益々わからない
わからないから
色々知っていきたいとは思う
そんな事を考えながら
自問自答の渦の中
とりあえず
台所に立ってみる
食材に触れ 命に触れる
そうして響いてくる音は
ふと、母の音だと思った
母の音を自分で立てている
母の音を聞きながら
台所に立つ
あたりまえの日常も
母の音を聞いている
そう思うだけで幸せを感じた
料理の腕は追いつかないけど
いつかこの子達にも
この音がメロディーの様に
リフレインとなって
響いてくれるかな
若い頃 不安と焦りばかりで空っぽだった私の中で響いた
命の音だ
母の様に立派に生きようとかは
全然思わないけど
私の中に息ずく母を最近は感じられる
それが少しだけ誇りだ
今日も台所に立ちながら
母の音に生かされている
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