ほほ笑み│短歌
【現代短歌十首】
滑り台
風の魔法に魅せられた
あの頃のようなきみの笑顔
幼子
帰るよ滑るのさいご
階段登る瞳母映さず
赤い車
夕暮れに帰るウィンカー
運ばれし大切な母子
アスファルト
白く光らせ常夏の
君が春に見る夢はうつつ
氷に炭酸サクラ波
シュワシュワはじけて
君の頬
トランシーバー
途切れ途切れの声でも
耳をすましてくれる君に届け
垂れさくら
菜の花の頬に触れ
黄色の微笑み可愛く揺れて
桜になりたい?シロツメクサの
ピンク色に染まった
話を聞きたい
桜かと遠目に見れば満開の
薄紫の木蓮の道
校舎から
入学式の親子連れ
色とりどりのランドセルかな