ひとときの乾杯【短歌十首】
大晦日からコトコトと炊きものをする台所ゴトゴトとススメ
黒豆、レンコン、数の子と丸を集めては噛みしめて正月
初日の空、こうべを垂れ光浴び溶けゆくような鳥のさえずり
大吉だったおみくじの恋愛を見る人春の光ゆらめいて
いとこ同志同じ悩み方をするねと頷き合って笑顔かな
乾杯、日本酒とお刺し身が美味しい我が故郷の正月だよ
祖母の味に感謝を告げる孫たちにほろ酔いばあやは泣き笑い
サザンカが雪のように咲いて散り落ちてスズメが集う母の庭
なによりも雑煮が楽しみで起きる朝お椀一杯の餅とけて
夜空に映る皆の笑顔がキラキラと三日月に注ぐ感謝