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奥薗 和子/lala farm table

法人名/農園名:lala farm table
農園所在地:東京都青梅市
就農年数:4年
生産品目:野菜類(ケール、ルッコラ、セルバチコ、ズッキーニ、トマト、ナス、玉ねぎ、ニンニク、オクラ、カボチャ、じゃがいもなど)、ハーブ類とエディブルフラワー類(バジル、ミント、シソ、ローズマリー、ディル、フェンネル、ボリジ、タイム、セージ、レモンバーム、レモングラス、カモミール、 チャイブ、イタリアンパセリ、チャービル、ニゲラ、矢車草、唐辛子、菜の花など)
HP:https://lala.farm/

no.120

ドイツで過ごした12年、栽培したハーブを食べられるブーケに

■プロフィール

 出身である鹿児島県のJAに事務職として勤務したのち、勉強していたフラワーアレンジへの関心から、生花店に勤務。

 2002年〜2014年の12年間にわたって、ドイツに滞在。この間、語学や職業訓練を受けた後、国際的に数々の賞を受賞しているドイツのフローリスト、ウルズラ・ヴェゲナー氏に師事し、国家が認定するフローリストマイスターの資格を取得する。

 ベルリンの生花店「ブルーメン・マルサノ」でホテルやレストラン、ベルリン映画祭、ファッションウィークなどのデコレーションを経験するうち、自家栽培したハーブや花材で作品を作ることに興味を持つ。

 2014年の帰国後は故郷・鹿児島の生花店で2年間勤務したのち、全国から優れた花材が集まる東京への憧れが募って上京を果たす。

 山梨県上野原市のアグリマイスターのもとで週末農業を体験するうちに、勉強したい気持ちが高まり、移住して2016〜2017年にかけて有機栽培を研修。

 2018年、東京都青梅市の「青梅ファーム」で有機栽培を研修しながら、東京都農業会議に遊休地だった栗林を紹介してもらって2019年春に独立。

 現在はハーブに合わせやすい野菜を栽培し、東京近郊や青梅市の直売所、マルシェなどに出店。

■農業を職業にした理由

 フローリストとしてドイツで仕事をしていた時に師事していたウルズラ・ヴェゲナー氏の教えは、市場でから仕入れた花ではなく、森などで採取した野生の花材を使ったフラワーアレンジが中心だった。

 また、ハーブが身近に扱われていたことから、現地でも家庭菜園を楽しんでいた。12年にわたるドイツ生活から帰国後は、食材としても花束としても使えるハーブを無農薬で育てたいという気持ちが強まり、山梨県や青梅市の農園で有機栽培を学ぶ。

 東京都農業会議から斡旋された農地は、30年間、人の手が入っていない栗林だったが、その野生味あふれる植生に一目惚れし、2019年に就農。

 東京都の「新規就農者定着支援施設整備事業」でトラクターなどを購入しながら、少しずつ管理面積を広げて、現在は青梅市の中山間地に6カ所の圃場を持つように…。同じ青梅市の繁昌農園日野市のNeighbor's Farm瑞穂町のきりり農園と一緒に、若手就農者で作る「東京NEO-FARMERS」のメンバーだ。

■農業の魅力とは

 自分でタネから育てた好きなハーブや野菜を使って、食べられるブーケを作るのは、市場で仕入れた花材でアレンジするのに比べて、大きな充実感があります。

 食べチョクの利用者に野菜セットを発送する際も、野菜にハーブをミックスしてブーケのようにアレンジしています。

 箱を開けた時に、ハーブの香りが広がるとともに、色とりどりの野菜の花束があらわれるのが嬉しいと好評をいただいています。日本でも近年、エディブルフラワーブーケを扱う農家が増えてきましたね。

 私の農園では、栽培からアレンジまですべてが完結します。ドイツの師匠であるウルズラ・ヴェゲナーさんからは、自然にある植物を使ったフラワーアレンジを教えてもらいました。

 飾って綺麗、ドライフラワーにしても、食べても美味しいブーケとして、購入されたお客さまから嬉しい評価をいただいています。

■今後の展望

 栽培管理から収穫、アレンジして発送する一連の作業を、私ひとりですべて行うのは効率が悪いため、2022年は出荷スタッフを雇用したいと思っています。

 今まで私が直感的にやってきた作業を、共有できるようマニュアルなどを作って「見える化」する必要を感じています。

 今後、経営規模を拡大したいと考えた時に、作業を任せられる人材は不可欠ですが、農園の売りである「食べられるブーケ」を作れる人材を育成するのが課題です。

 「農の雇用事業」の制度を利用して、人を雇用していきたいと考えています。また、現在圃場が6カ所に点在しているので、自宅から車で移動するのも非効率ですから、今後は拠点となるような場所を作りたいと考えています。

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