川名 桂/Neighbor’s Farm
消費者に近い東京の農園。お客さまの「ありがとう」が励み
■プロフィール
東京大学農学部国際開発農学専修を卒業後、2014年に農業法人グループの農産物販売会社に入社し、福井県で大規模トマト栽培施設の立ち上げ や流通業務に携わる。
2017年、消費地とより近い農業を志して、東京・清瀬市の農家での研修を開始。2019年3月、市街地区域内の生産緑地の貸し借りを可能にする「都市農地貸借円滑化法」を全国で初めて活用し、日野市の生産緑地を借り受けて消費者に近い街中農園として「ネイバーズファーム」を立ち上げる。
「ごはんジャパン」「東大卒の女性農家が作る夏野菜」「セブンルール」などメディア露出多数。
■農業を職業にした理由
大学で学部専攻を決める3年生の時、食生活と密接に関わる授業に興味を持ったことから農学部を専攻。
卒業後は、千葉県の農業法人グループの農産物販売会社に入社し、福井県で地方都市向けの大量流通業務を担当していたが、出荷調整や在庫管理などを通じて「野菜が一番新鮮で美味しい瞬間を逃している」と疑問を感じるようになった。
偶然、東京で農業する人を紹介するテレビ番組を見て、東京でも農業ができることに触発されて退職へ。
地元である東京の消費者の近くで地産地消を可能にする農業を目指したいと、清瀬市の農家で研修しながら、農地探しを続けた。
2019年、日野市の地主から2反の生産緑地を30年契約で借り受け、「ネイバーズファーム」を設立。東京都と日野市の新規就農者向けの補助金をフル活用して、環境制御型のビニールハウスの建設にこぎつけた。
■農業の魅力とは
農産物を地方で大量生産し、都市で大量消費する従来のやり方だと、野菜の一番美味しい瞬間を逃していると考えるようになり、生産者と消費者の関係が近い街中の農園を目指してきました。
「ネイバーズファーム」という名前には、「お隣の」「ご近所の農園」という意味を込めています。現在は野菜を入れた自販機販売が3〜4割、あとはスーパーや農協の直売所などへの出荷が中心ですが、購入してくださったお客さまからは毎日ひっきりなしに「いつもありがとう」と感謝されるのも励みになります。
コロナ禍を経て、取引先も大きく変わりましたが、一方で農業を手伝いたいという援農ボランティアの方も少なくありません。ゆくゆくは農業学校や農業研修のような機能を備えることで、人を育てていくことにも挑戦してみたい。都市型農業のあるべき姿だと思っています。
■今後の展望
現在は、私とフルタイムで働くスタッフ1人以外は、援農ボランティアにお手伝いいただいています。いずれは法人化してメンバーを2〜3人増やし、長く働いてもらうための仕組みを作りたい。トマト栽培は大根などの重量作物と違って、女性向けの作物ですから、メンバーも同世代の女性が中心になると思っています。
ネイバーズファームのハウスは、光合成を最大限に促進するための工夫や、高濃度の二酸化炭素を直接与える施用技術、病害虫が発生しにくいココバッグという栽培技術を取り入れて徹底的に管理されています。
常に食べものを扱っているという意識を持つことで、ハウス内は白いシートを敷きつめて土足禁止にしたり、週に1回掃除するなど衛生管理を徹底することで、働きやすい環境を実現しています。
#20代で就農
#関東
#新規参入
#経営手法
#経営哲学
#挑戦者
#SNS活用
#ユニークな経歴
#SDGs
#Uターン
#生産加工
#直接販売
#ポートフォリオ経営
#注目の農業者
#最新テクノロジー
#地域活性化
#農業体験
#スマート農業
#都市型農業