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三浦 綾佳/ドロップファーム

法人名/農園名:株式会社ドロップ/ドロップファーム
農園所在地:茨城県水戸市
就農年数:7年
生産品目:美容トマト(アイコ、イエローアイコ、フルティカ、小鈴の4種)、トマトジュース
HP:https://www.dropfarm.jp/

no.36

農業は子育てと仕事を両立できる。柔軟な働き方を実現!

■プロフィール

 広島県の短期大学で管理栄養士の免許を取得。在学中から水着販売や太陽光発電の対面接客アポインターなどのアルバイトを経験し、卒業後はアパレル、イベント会社で衣料品、浄水器、住宅展示場、移動動物園などの接客、販売業を経験。

 22歳の時にクライアントだった夫・浩さんと出会って結婚し、上京後は二人で広告代理店ドロップを設立。24〜25歳で妊娠・出産を機に、子育てと仕事の両立を模索するなかで、医療用に使われているハイドロゲルフィルムを転用したアイメック®農法に出会い、就農を選択。

 アイメック®︎の説明を聞きに行った帰り道で就農を決意する。その10カ月後の2015年8月に最初の苗を定植。

 恵比寿や銀座の三越百貨店に訪れるハイエンドユーザーをターゲットにした「美容トマト」が大ヒットして販路を拡大する。コロナ禍でも年間売上6,000万円を維持し、2022年は1億円を突破する見込み。

 農業女子プロジェクト、茨城県総合計画審議会委員、茨城県ダイバーシティー推進アドバイザー少子化対策委員、農業の働き方改革検討委員会などを歴任。平成28年度「農業の未来をつくる女性活躍経営体100選(WAP100)」。

■農業を職業にした理由

 多くの販売職を経験したことから、高い接客技術を自負して、広告代理店を設立。25歳での出産を機に、子育て中の女性が仕事と両立できる農業に関心を持つようになった。

 2014年10月、引退を検討している親戚の農家を訪ねたその日に農場を決め、新しい農業の形をつくると決意。電柱建設や井戸掘削からのスタートだったが、当初から恵比寿の三越百貨店の女性客を想定してブランディングやパッケージを考案。

 農地決定から1年後に最初の収穫を迎えたものの、子育てをしながらの出荷作業に過労死寸前まで追い詰められた。

 栽培担当の社員を雇用した1年目の後半から、仲卸への出荷をやめて直販事業に切り替えたところ、銀座や日本橋の三越でも販売が始まり、メディアでで注目されるトマトとなる。

 就農4年目で生産規模を2倍の5,000平米に拡大し、スーパーでの販売も開始。ジュース工場の内製化にも挑戦して経営を拡大している。

■農業の魅力とは

 販売は人が相手なので相手の対応に委ねるものです。私は受けた仕事は完全な形でこなしたいと思って仕事してきましたが、子育てをしながらではどうしても無理が出てしまうので、出産後の女性がキャリアアップを諦めない方法を模索していました。

 トマトのハウス栽培では、葉かきや芽かきなど、余裕を持ったスケジュールでこなしていれば、今日必ずやらなければならない作業は少ないので、子育て中でも柔軟に対応できます。

 農作業は自然相手なので、出荷スケジュールがズレる場合もありますが、私たちのお客さまとは、生産者の状況を理解していただける信頼関係を結んできました。

 農業は、何かにとらわれずに生産者が強くいられる、新しい働き方ができるビジネスだと思っています。

■今後の展望

 創業から7年に入って、栽培面積も当初の4倍の1ヘクタールに拡大し、2022年の年間売り上げは1億円を超える見通しです。

 トマトジュースの製造場や直売所もできましたし、2022年3月には自動販売機を置いて、24時間の販売が可能になりました。

 私がやりたかったことは一通り区切りがついたので、今後は、従業員の個性を活かしたビジネスを展開していきたいと思っています。

 具体的には、直売所の脇のスペースを使って、ヨガインストラクターの資格を持つスタッフがヨガを教えることができる芝生広場を設営したり、出産でパティシエの夢を諦めたスタッフが活躍できるカフェや、製菓学校に通っていたスタッフが和菓子教室を開くことも考えています。

 従業員が独立する前に、挑戦したいことを試せる取り組みです。ドロップファームが単なるトマト農園ではなく、近隣の人々が遊びに来られる楽しい場所だとアピールすることで地域活性化につながります。

 私たちを応援してくださる水戸市にも恩返しできると思っています。

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