小山 勉/なまら十勝野
十勝の農家が集まって全国へ発信!未来につながる農業を…
■プロフィール
20歳で家業を継いだ4代目。当初はJAや組合に出荷していたが、安価な輸入農作物が増えて、国の農業政策が転換した2007年、「今のままの農業でいいのか?」と危惧を抱くように。
芽室町の農家4軒が集まって、農場視察や産直コーナーの対面販売などを通じて、「消費者と直接つながることの重要性」を認識。
大手スーパーのバイヤーと知り合い、地元野菜の販売コーナーを作ったことがきっかけで「なまら十勝野」という共通ブランドが誕生した。 20〜40代の若手農業者が増えて、2016年に株式会社化。
2022年現在は18軒が共通の理念のもとに、十勝から全国に「安心・安全・美味しい」野菜を届ける活動を展開中。
■農業を職業にした理由
生産者として「安心」「安全」な農作物を提供するのは当然のこと。顔見知りが作っている野菜は「安心感」がありますから、まずは農場のことを毎日発信してファン獲得に努めます。
さらに参画している農家には、3年以内にJGAPを取得し、第三者に年に1回生産管理体制をチェックしてもらうことで「安全を見える化」します。
「美味しさ」は健康な土から作られますから、農薬や化学肥料の使用は最小限に抑えて、土壌微生物の力を活かした野菜作りを行なっている。農場体験や研修、飲食店の視察などを受け入れて生産現場を見てもらうことで、未来につなぐ農業、認め合い笑顔になる農業を理念にしている 。
■農業の魅力とは
対面販売したお客さんから喜んでもらったことで、自分たちが作る野菜の価値を知りましたが、「なぜこんなに美味しいのか?」という疑問に答えられなかったもどかしさから、自身の勉強の必要性と消費者に直接伝えたいと考えるようになり、交流や情報発信の重要性を認識しました。
取引先の要望に対して、1人では対応できないことでも、組織ならば応えられたり、新しい計画にも挑戦できます。
畑や土の中で起きていることが、現実社会の問題と重なることも多く、農業から教わることがたくさんあります。
なまら十勝野に入る20代もいますし、スタッフを雇う機会も多くなりましたが、自分たちが作る野菜に誇りを持ち、農業って良いものだと思う気持ちを次世代につなげたい…。そのために若い世代の目線に合わせて、理想や目標を示し、そこに至るまでのプロセスを楽しめるよう伝えていきたいと思っています。
■今後の展望
2017年には農業総合研究所と提携し、共同集荷場が完成したことでJALの空路を利用して、十勝の野菜をトン単位で輸出する仕組みが生まれました。
香港市場は民主化運動やコロナ禍の影響でストップしていますが、スケールメリットを活かして、流通コストを抑えた本州への出荷が可能になったことから、大規模出荷先と、パッケージして販売する2つの販路が生まれました。
創業当時は年間売上6,000万円だったのが、この6年間で5倍に成長しました。 コロナ禍で飲食店などの取引先は減りましたが、巣ごもり需要でキャベツやレタスなどの生産量は増えました。
成長に安穏とすることなく、今年はさつまいもに挑戦しようと考えています。じゃがいもはプロですが、さつまいもは初めてなので、茨城県の農家まで押しかけて勉強してきました。これも仲間と一緒だからできること、新しい目標に向かって挑戦は続きます。
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