【ゲームの話】【#ゲームで学んだこと】シミュレーションゲームから学んだ、ちょっと役に立つ知識
日本の地理に詳しくなる
固有名詞が覚えやすい
例えば戦国時代のゲームでは、都道府県ではなく旧国名(律令制)が出てきます。
現代の都市名や鉄道の駅名でも使われるので、生活に役立つ固有名詞が覚えやすいですね。
(例)大和郡山市、安芸高田市、越後湯沢駅、武蔵小杉駅、尾張一宮駅など
同音異義語を区別しやすい
日本語には同音異義語が多いので、旧国名を覚えることは誤解や混同を避けることにもつながります。
(例)「あわおどり」 -> 「泡」踊りではなく、「阿波」踊り。
「あきのみやじま」 -> 「秋」の宮島ではなく、「安芸」の宮島。
「いなばのしろうさぎ」 -> 「稲葉」の白兎ではなく、「因幡」の白兎。(ただし「稲羽」であれば、古事記の表記通りだから、ある意味正解。)
中国由来の文化が理解できる
ファーストネームで呼ぶのは失礼
子供のころは下の名前(ファーストネーム)で呼んでいても、社会に出ていくといつのまにか苗字(ファミリーネーム)で呼び合っていませんか?
儒教文化は縦社会で、キリスト教の神の下の平等とは根本的に違う。下の名前(=諱)は、目上が目下を呼ぶときか、目下が謙遜して自分のことを呼ぶような、堅苦しい場面でしか使わない。それが現代の日本でも、しつこく根付いているわけですね。
だから、時代劇や歴史小説で、「劉備どの」とか「信長様」などと呼ぶのは違和感があります。
劉備であれば「玄徳」「劉豫州どの」、織田信長であれば「上総介どの」「右府様」など、通称(字や肩書など)で呼ぶ。このほうがリアリティがあります。
例えば、池波正太郎の長編小説『真田太平記』では、真田昌幸と徳川家康は、「内府(=内大臣)どの」「安房(=安房守)どの」と官職名で呼び合う。
昌幸が子を呼ぶときも、「信幸」「信繁」ではありません。若いころは「源三郎」「源次郎」で、成人すると「豆州(=伊豆守)」「左衛門佐」になります。
肩書というのはコロコロ変わる可能性があり、そのシーンでの官職は何だったかを検証すると手間がかかる。昭和の文豪のすごみを感じます。
ゲームでは、登場人物名は主に識別のためですから、リアリティよりもはっきり識別できることが大事。なので、本名の「姓+諱」が一般的です。
ただし、リアリティを出したいこだわりのあるデザイナーのゲームでは、当時の呼び名で表記しているものもありますね。
「おじさん」や「おばさん」が区別できる
「玄徳」などの字の話を続けます。
字のつけかたは自由ですが、ポピュラーなルールとしては、「諱と似た意味の文字を使う」「兄弟や従兄弟などの同じ世代では似た意味の文字を使う」などがあるようです。
「兄弟の生まれた順番を示す文字を使う」もまた、ポピュラーです。
例えば三国志では、孫策(伯符)や陸遜(伯言)などの「伯」は長男につけます。
司馬懿(仲達)や孫権(仲謀)の「仲」は次男です。
董卓(仲穎)の弟の董旻(叔穎)や、司馬懿の弟の司馬孚(叔達)は三男で、「叔」。
それより下になると、馬良は四男で(末っ子の意味の)「季」常、その下の馬謖は五男で「幼」常、など。
夏侯淵一族の例は分かりやすい。長男の夏侯衡だけは字が不明ですが、次男以降は、夏侯覇(仲権)、夏侯称(叔権)、夏侯威(季権)、夏侯栄(幼権)、夏侯恵(稚権)、夏侯和(義権)となります。
話を進めますと、「仲」を基準にすれば、年上が「伯」で年下が「叔」。
だから日本語では同じ「おじ・おば」でも、親の兄・姉は「伯父・伯母」で、親の弟・妹は「叔父・叔母」と表記することになります。
学校では習わない英単語を知る
Formosa
台湾の別名。語源はポルトガル語で、「美しい島」を意味します。
「Pax Britannica (VG)」は邦訳ライセンス版が出ていますが、地名は原文のまま。
台湾の場所に"Formosa"と書いてあり、覚えました。
その後、英会話教室に通ったときに、「どの国が好きか?」という話題でこの単語を使いました。英国人の教師が「何でそんな単語を知っているんだ?」という表情をしたので、「してやったり」。ただこれだけなので、「役に立った」かどうかは微妙ですが。。。
Occupied
外国や国際線の機内で、トイレが使用中かどうかを示す「Vacant(空室)」「Occupied(使用中)」という文字をよく見ます。
後者を直訳すると、occupy(占領する)の過去分詞だから、「(誰かに)占領されている」という意味になります。
二人用のゲームで、都市や町などを初期配置の支配者とは違う側の部隊が通過した場合に、この"Occupied"と書かれたマーカーを置くものがあります。
この場合は文字通りの「占領中」の意味で、その町を補給基地として使えたり、勝利得点になることを示す、という意味があります。
また、第二次世界大戦がテーマのゲームで、連合国側の国土を枢軸国側が一時的に支配している場合に「Occupied France」「Occupied China」などと表記することもあります。
Commonwealth
同じく第二次世界大戦がテーマのゲームでは、例えば北アフリカの戦場に南アフリカ師団とかインド師団とかが登場します。
ほかにもニュージーランド、オーストラリア、カナダなど、かつて英国の保護領だった国たちをまとめて呼ぶ単語です。
「World In Frames」の直輸入版を買ったとき、輸入代理店が訳した日本語の説明書がついていましたが、頼りない感じだったので自分でも和訳をしてみました。
そのときに知ったのがこの"Commonwealth"で、「英連邦」と訳します。
今では、オーストラリアなどがかつて英国の保護領だったことを国旗のユニオンジャックを見て初めて知る人が多い、という話を聞きます。
ですので、まさか21世紀になってこの単語を使うことがあるとは思っていませんでした。
ところが先日、エリザベス2世の葬儀のニュースで、あるメディアが参列者の序列の説明をするときにこの単語を使っていたので「オッ」と思った次第です。
貴重なお時間を使ってお読みいただき、ありがとうございました。有意義な時間と感じて頂けたら嬉しいです。また別の記事を用意してお待ちしたいと思います。