信念と強情は別
高い打撃を目指し今年のキャンプ、バットを大リーグ通算4250安打のピート・ローズ愛用の握りの部分が超太いすりこぎバットを特注、挑戦している阪神・森下がキャンプ終盤に来ても思っていた結果が出ず周りを心配させている。
森下のすりこぎバットについては2月11日の項でも書いている。新しいバットを使いだして10日経っていたが飛距離が伸びない傾向がみられた。岡田監督は「あいつはバットの重みで飛ばすタイプ。あのバットではボールは上がらない。他のバットも注文してるみたいだし、試行錯誤しているのと思うが」と気にかけたが、本人は「今のところ問題はない。バックスピンがかかって打球が上がれば本塁打になるし、ライナー性なら野手の間を抜け長打になる。とにかくしっかり振ることを心がけている」と話した。
項はやろうとした事を貫くところを肯定的にとらえ締めたが、それから10日余、紅白戦を含め実戦5試合で16打数5安打、打率3割1分3厘と安打は出ているが長打は3塁線を破った2塁打が1本だけだ。岡田監督はこんな森下について18日、「ボール上がらんやろ。あのバットでは。いつ上がるバットに変えるのやろ」と話した。
森下に変化の兆しが見られたのはこの日以降で「芯に当たっているしセンター方向にも打球はいっている。内容は悪くない。どんどんすり合わせていけば」という一方「バットはシーズン中に一つに絞れば良い。それまで試しながらという感じです。昨年のバットもその時次第で試すかも」と付け加えた。
理由として考えられるのは試せるキャンプが残りわずかになってきたのと阪神では1年上の前川の存在だ。このところの当たりはすごい。2、3日前から左翼に入りノックを受けているがこれには、間接指示を聞かずすりこぎバットを使い続ける森下がこの先きかない時の措置を臭わせている。
強情もほどほどがいい。
令和6年2月23日