面白かったけどついつい前作と比べてしまうゲーム
2018年の年末にセガ(現龍が如くスタジオ)が渾身の一作をリリースした。その名は「JUDGE EYES:死神の遺言」、別名キムタクが如く。元ヤクザがヤクザ業界とゴタゴタを繰り返すという龍が如くシリーズとは一線を画す、元弁護士で探偵の物語。が、それ以上にあのキムタクを操作できるという感動。システム上は、ドローン操作や尾行みたいな煩わしいのも多かったが、法廷劇としてもシナリオがよくできており、個人的にはコロナ禍でPS4を買ったあとで龍が如くシリーズを再びやることにもなった作品でもあるので、好きなゲームである。詳細はあまり覚えていないだけど。
その続編
その続編は2021年にリリースされた。現実社会の時間軸と一致させて、2021年現在の日本が舞台で、主要メンバーも変わらない。
ゲームの出来
システムは前作でほぼ完成しており、追加要素は少ない。追加された要素のうち、街中をスケボーで快走できるのは嬉しいし、犬を使ったリサーチモードなんかも面白い。が、メインシナリオが面白すぎて、ほとんどサイドケースをやっていないせいもあり、前作との比較もやりづらくはある。前作は一作目ということもあり、割と寄り道をすることで、八神という主人公を紹介する面があったが、続編である本作はその必要がないせいもある。
シナリオの出来
シナリオも十分に面白い。が、前作から気になっていたが、年金の件とか話が大きくなると途端に嘘っぽくなるというのが気になって仕方ない。また、日本の公安が本作ほど有能であればスパイ天国な今の日本にはなっていないと突っ込みたくなってしまう。とはいうものの、本作は動機皆無な黒幕というものが存在せず、どの登場人物も己の価値観をもとに行動しているという点ときちんと社会問題に着地させているという点で龍が如くのナンバリングものとは明らかに異なるという点は評価したい。
プレー時間
ほぼメインストーリーのみ、かつ、ムービーをスキップせず、アクションで何回かやり直しをした結果、24時間でエンディングまで到達。概ね標準時間くらいかな。これからトロフィー取りに行きたいが、龍が如く7外伝もやっているので、どうするかな。
本作のモヤモヤ点
で、ここはネタバレだけど、いじめの加害者に対して、私刑は許されるかという重いテーマに対して、私刑により新たな悲劇が生まれるからダメという話になっている。が、いじめ自体は至る所にあるし、いじめられる側というのは弱者なので救済されること自体が少ないというかほとんどないということを鑑みると、国家が裁かないのであれば私刑もあり得るという抑止が必要なのではとも思ってしまいモヤモヤはする。もちろん、本作のように、想定外の犠牲者が生まれることも多々あることだし、それこそ私刑を許したら法も秩序もあったものではないというのは正しいのだけど。
結論
よくできたゲームであるが、続編ものであるので、一作目をやることが推奨されるものでもある。となると、一作目のあの出来とついつい比べられてしまうゲームでもある。