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インター設立のキーパーソンに聞く、NLCS Kobeの“ココがすごい”【前編】

2025年に開校する「North London Collegiate School Kobe(NLCS Kobe/ノースロンドン神戸)」。今回はNLCS Kobeの設立に携わったSKY Educational Partners代表の金重惠介さんにインタビュー。前編では、金重さんが教育の分野に興味を持ったきっかけや、IB(国際バカロレア)の特徴についてライターの片桐が話を聞きました。

金重惠介(かねしげ けいすけ)
SKY Educational Partners株式会社 代表取締役/インターナショナルスクール設立コンサルタント

東京大学教育学部卒。ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院修了(MBA)。 米国在住時の小学校の教育に感銘を受け、日本の教育と比較して大きな課題を感じる。新しい教育、世界水準の教育を行う学校の設立を目指し、河合塾でのドルトン東京学園設立プロジェクト、広島の神石インターナショナル設立時の事務局長を経て起業。Rugby School Japan、Malvern College Tokyoの設立をサポート、North London Collegiate School(NLCS)のパートナー探しからNLCS Kobeの開校も支援中。その他、様々な学校の設立、運営、M&A、移転など各種の相談に乗っている。

“日本に良い学校をつくりたい”

―金重さんはこれまで、Rugby School JapanやMalvern College Tokyoなど、英国系のインターナショナルスクールの設立をご経験されていますが、NLCS Kobeに携わることになった経緯を教えてください。

NLCSは5年ほど前から日本での開校を検討していたのですが、なかなかいいパートナーが見つかりませんでした。そこで、当時窓口だったコンサルティング会社から引き継ぐ形で、私がパートナー探しをさせていただくことになりました。

―パートナー探しというのは難しいものなのですね。

インターの海外展開は、いわゆるフランチャイズ契約です。コンビニをイメージしていただくとわかりやすいと思うのですが、イギリス本校が自分たちのお金で海外に学校をつくるのではなく、キャンパスの建設から学校運営までを一貫して任せられる現地のオーナーさんが必要なんですね。最終的に八光エルアールさんという素晴らしいパートナーに出会うことができて、本当によかったと思っています。

―パートナーが決定してからも、金重さんは継続してNLCS Kobeの開校準備に関わられていますが、その理由は何でしょうか?
 
パートナー契約を成立させるのが私の役目ではありますが、それよりも、日本に良い学校をつくりたいという思いが強いからです。

これは自分自身の経験がベースにあります。私は父親の仕事の都合で、小学2〜4年生まで米国ワシントンDC郊外の学校に通っていました。日本の学校のような規律はありませんでしたが、先生が子供のモチベーションを上げるためにとにかく創意工夫をしていて、登校初日からとても楽しかったのを今でもよく覚えています。複式学級だったため、さまざまな年齢の子供と学ぶことができましたし、出身国もバラバラなので多様性にも触れられました。これが原体験となって、日本の教育を変えたいと考えるようになりましたね。

2024年11月、神戸ベイシェラトンホテルにて

物事の本質を考えるのがIB

―NLCSの特徴的な点はどんなところですか?

まず大前提として、ロンドンの本校はもちろん、今まで展開しているチェジュ、ドバイ、シンガポールの海外校全てがIB(国際バカロレア)認定校である点です。IBは世界共通の素晴らしい教育プログラムで、グローバル人材を育成するためには欠かせないものだと私は思っています。文科省も日本の認定校を増やそうとはしていますが、まだまだ数が少ないのが現状です。

また、IBには16〜19歳を対象としたDP(ディプロマ・プログラム)という2年間のプログラムがあり、最終試験を経て所定の成績を収めると、国際的な大学入学資格が取得できます。NLCSはこのIBDPの平均点が英国トップで、2023年度は45点満点中41.53点でした。

そして、NLCSグループが何よりもすごいのは、海外校が本国と同じくらい学力レベルが高い点。先程フランチャイズのお話をしましたが、海外進出しているインターは、本国が直接教育クオリティチェックをするのではなく、多校展開するフランチャイズオーナーがクオリティチェックする場合もあるんですね。そのため、本国と同じレベルを保てない学校も多いのですが、NLCSはどの海外校も本国と密接に関わりながら運営しているので同水準の高い進学実績を誇ります。例えば韓国にあるNLCS Jejuも、オックスフォードやケンブリッジに毎年5〜6名の学生が進学しています。このレベルは圧倒的だと思いますね。

―IBのプログラムでは、具体的にどんな学び方をするのでしょうか?

例えば鎌倉幕府を一つの事例として考えた時、従来の日本の教育なら「イイクニ(1192)つくろう鎌倉幕府」と語呂合わせで年号を覚えますが、IBのアプローチでは「権力って何だろう」という視点から入ります。貴族中心だった平安時代から、武家が統治する鎌倉時代へと移り変わった背景には何があるのか。それを子供同士で議論して、自分たちなりの考えを構築していくんです。その過程で、必要に応じて歴史を深掘りしてみたり、土地や社会を守る仕組みや法律について調べたりするわけです。

―なるほど!入り口が全く違うのですね。

子供が興味を持つテーマを設定して、必要な知識を自ら学んでいくように導く。覚えなさいと押し付けられたり、詰め込まれたりしないから、子供自身が学ぶ意味を理解した上で知識を深めていくことができるんです。

ここでの大きなポイントは、物事の本質を考えるということ。一見抽象的なテーマですが、社会に出た時に権力の本質について考えるタイミングは必ず出てきます。政治に無関心な若い世代が増えているという話も聞きますが、小さい頃から本質について考える習慣が付いていれば、きっとその子たちは無関心にはならないはずです。

―自分の興味から学びが広がっていくことで、モチベーションも保たれますね。

私の娘は小学2年生まで日本の公立学校に通っていて、途中でインターに編入しましたが、すごく楽しそうに通っているんですよ。何が楽しいのか聞いてみたら、「だってお勉強しないもん」って。わかりやすい表現ですよね。

2024年12月、クリスマスイベントにて

ここぞというタイミングで背中を押す

―NLCSも含め、英国ではパストラルケアを取り入れている学校が多いそうですが、どのようなものなのでしょうか?

パストラルケアとは、先生たちが生徒一人ひとりを細やかにサポートする仕組みのことを言います。例えば、先生一人あたりが受け持つ生徒の割合を示すST比(SはStudent、TはTeacher)という指標があるのですが、日本の小学校だと約15のところ、NLCSグループでは約8。この数字だけでもかなり手厚い体制であることがわかります。

さらにNLCSでは、生徒と一対一で時間を取ることが先生の査定の評価軸になっているのもポイントです。先生個人の教育に対する情熱のみに任せるのではなく、きちんとお給料に反映させることで、体制の精度を上げ、モチベーションも保っているのです。

― 一人ひとりに目が行き届くことによって、学習面においても精神面においても大きな支えとなりますね。

以前、NLCS Jejuに視察に行った時に衝撃だったのが、120人の卒業生全員がIBDPを取得していたことです。IB自体は素晴らしいプログラムなのですが、一方で合格者を多く輩出するのは難しいとも言われています。高い平均点を出している学校でも、蓋を開けてみると母数が40人程度しかいなかったりするんですね。

NLCSでは生徒一人ひとりの変化を見逃さず、何かに興味を持った瞬間に背中を押せる環境が整っているから、子供たちも楽しくなって、どんどん学びたくなる。それが他の科目にも伝播して、自然と点数が上がっていく。結果、これだけの実績が出せるということです。そのように学んだ子供たちは、大学に進学した後や社会に出た後にも、自分で興味のあることを見つけて学び、成長し続けることができます。

金重さん、ありがとうございました。後編では、インターナショナルスクールで学ぶメリットや、NLCS Kobeならではの魅力についてお聞きします。

<NLCS Kobeについてはこちら>
【公式HP】https://nlcskobe.jp/
【note】https://note.com/nlcs_kobe/
【Instagram】https://www.instagram.com/nlcskobe/​
【Youtube】https://www.youtube.com/@NLCSKobe​
【LinkedIn】https://jp.linkedin.com/company/north-london-collegiate-school-kobe​


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