「森と共存する校舎」から学べるもの。世界的建築家ミケーレ・デ・ルッキが考える、建築が教育にもたらすものとは―
【English follows Japanese.】
2028年、六甲山・国立公園内に校舎を新設し、中高一貫のボーディングスクールを開校する「North London Collegiate School Kobe（NLCS Kobe）」。新校舎の設計は世界的建築家Michele De Lucchi（ミケーレ・デ・ルッキ）氏のスタジオ「AMDL CIRCLE」が担当します。ミケーレさんは、80年代に一大ムーブメントを巻き起こしたデザイナー集団「メンフィス」のメインメンバーであり、言わずと知れた現代イタリアを代表する建築家。
ミケーレさんのスタジオ「AMDL CIRCLE」は、1929年に誕生した六甲山ホテルの歴史を引き継いで2019年にリニューアルオープンした「六甲山サイレンスリゾート」のディレクションも手がけるほか、近年では建築の未来を考える実験的プロジェクト「EARTH STATIONS」にも力を入れていらっしゃいます。
NLCS Kobeの自然豊かな環境で提供する学びの場は子供たちにどんな影響を与えるのか、ミケーレさんが考える建築と教育の関係性について、ライターの片桐がお話を聞いてきました。
※2025年に六甲アイランドのAsia One Center（神戸市東灘区）にて小中学校を開校。2028年、六甲山に校舎を新設して中高一貫のボーディンィングスクールを開校し、プリスクール・小学部についても2028年から2030年までの間での校舎の移転を計画しています。
Michele De Lucchi（ミケーレ・デ・ルッキ）／建築家・AMDL CIRCLEファウンダー
1951年、イタリア北部フェッラーラ生まれ。自身のスタジオを持つ建築家として、住宅、オフィスから工業用建造物、文化施設に至るまで、世界各国の重要な建築プロジェクトに携わる。代表的な作品は、ドイツ銀行ビル、ドイツ鉄道、ENEL（エネルギー会社）、イタリア郵便局、Hera（エネルギー会社）、インテーザ・サンパオロ銀行、ウニクレディト銀行など。またエルメスをはじめとするヨーロッパのラグジュアリー・ブランドや有名企業の依頼を受け、家具や照明など多くのプロダクトやインテリアのコレクションをデザイン設計している。
六甲山から景色を眺めるように
物事を俯瞰で見ることを体感
―まずお聞きしたいのですが、ミケーレさんは建築家の社会的役割についてどのようにお考えでしょうか？
とてもいい質問ですし、同時に難しい質問でもあると思います。私はこの職業を選んだ時から、建築家として社会とどう関わっていくのかを常に考えてきました。そういう意味では、建築家の社会的役割というものが常に頭の中にあったことになります。
建築家の仕事は、建物をただデザインすることではありません。もしそうならデザインの技術に長けた人がやればいいのですから。建築家は、単に空間をつくるのではなく、その中に暮らす人がどのように動いて、何を食べ、何を感じ、社会がどう変わっていくのかを想像して、生活のスタイルに合わせた提案をしていかなければいけません。そして重要なのは、そこに住む人も空間に大きな影響を受けるということ。だからこそ、人間行動学や社会学を学び、自分の設計した建物が将来、社会の中でどのように定義されるのかについて考えなければいけません。それが私たち建築家にとって不可欠なことだと思います。
―今のお話は「学校」という空間においても重要なことだと思います。NLCS Kobeの校舎設計のオファーを受けた時はどのように感じられましたか？
もう本当に、驚くほど嬉しかったです！なぜなら教育現場は私が一番関わりたい場所だったからです。社会は人に対して投資をしていかなければいけません。投資をするとはどういうことかというと「教育を与えること」です。これは世界共通のテーマでもあると思っています。
―NLCS Kobeと他の学校の違いはどこにあると思いますか？
まず、六甲山という自然豊かな場所にあることです。この場所では、子供も教師も建物も自然と共存します。この点が他の学校との圧倒的な違いであり、NLCS Kobeのアイデンティティでもあると思います。私たち人間は自然から生まれてきました。これから先の社会が抱えるテーマは、自然をどう保護して、どのように共存していくか。そのテーマを教育の場としてみんなで体感できるのが、この学校の魅力だと思います。
さらに、物事を俯瞰で見ることを体感できる点も重要です。校舎は山の頂上近くに建つため、周囲の森だけでなく、遠くの景色も眺めることができます。自分の問題、自分の世界に閉じこもるのではなく、客観的に見ることを物理的に体感する。そうすれば、人種の違いや性格の違いなど、世の中にあるさまざまな問題を超えて、遠くを見据える価値観が無意識のうちに備わっていくと思います。
建物が木よりも目立つのではなく
建物が「森と共存すること」
―校舎の建築設計において、どんなところを重要視していますか？
子供たちが自然の中で育つことができるよう、木を伐採することはできるだけ控えたいと思っています。建物が木よりも目立つのではなく、建物が「森と共存すること」をテーマに設計を進めています。
また子供たちには、人間は一人では生きていけないということを感じてもらいたくて。そのためには、子供たちが集まって遊べる場所や、みんなでおしゃべりを楽しめる場所が必要です。 こうした場所を通じて、子供たちは社会性を育み、協力することの大切さを学んでいきます。
多くの研究者が提唱していますが、この世に生まれてきた生物の中で、互いに共存し、協力し合うことができるのは人間だけです。残念ながら今、世界の一部では戦争が起きていて、協力し合うのではなく、互いを傷つけ合う現場も生まれていますが...。協力し合うということは、何かを一緒に成し遂げるということです。協力しなければ生きていけないという人間の性のようなものを体感しながら、成長していってほしいと思っています。
―自然豊かなロケーションゆえに、設計の難しさもあるのではないでしょうか？
もちろん難しい点もいくつか挙げられます。まず、校舎を建設するためにはある程度の平地が必要ですが、建設予定地は傾斜しています。また校舎の中に各カリキュラムに必要な教室も全て入れるとなると、かなりのボリュームになります。建設予定地には美しい森があるため、木や川や池といった自然の体系をできるだけ壊さずに建てたいと思っています。その方法を考えるのが非常に難しいです。
変化を恐れず、幸せになるチャンスなのだと
自然を通じて学んでほしい
―ミケーレさんは4人のお子さんを持つ父親でもあります。4人ともイギリスのボーディングスクールに留学されたそうですが、親の視点からどのような印象を持たれましたか？
通わせる前はとにかく心配で、遠く離れたイギリスの、しかも寄宿舎に入れるのはどうなのかととても悩みました。ですから、入学して初めての休暇の時には必ず、帰省した子供たちに「学校はどうなの？寂しい思いはしていない？」と聞くようにしていました。すると全員が「ものすごく幸せ！あの学校に行けてよかった」と答えたのです。学校には日本人もいれば台湾人もいてアメリカ人もいる。いろんな国の子たちがいるから楽しいのだと言っていました。
彼らの友情は大人になっても続いていて、定期的に連絡を取り合ったり、誰かがヨーロッパに戻ってきた時にはみんなで集まったりしています。そんなかけがえのない友情を学生時代に育めたというのは、本当に素晴らしいことだと思います。
―素敵なお話ですね。では、お子さんたちから辛いエピソードを聞くようなことはなかったのでしょうか？
辛い思いをしたのはむしろ私たち親の方です（笑）。毎日みんなで夕食を食べて、 週末には一緒に本を読んだり遊んだりすることがとても幸せな時間でした。でも、その当たり前だったことが子供たちが寄宿舎に入るとできなくなって、私も妻も本当に寂しい思いをしました。
その思いを子供たちには悟られまいと必死に我慢していましたが、卒業して何年か経つと、友だちを連れてまた家に集まってくれるようになり、結果的には家族が増えたような気分で嬉しかったです。家族で一緒に過ごす時間の大切さを、子供たちも思い出してくれたように感じます。
―ボーディングスクールに通ったことが、ミケーレさん家族のウェルビーイング向上にもつながったということですね。では、NLCS Kobeの環境は、子供たちやそのご家族、教師など、学校に関わる人々のウェルビーイングにどのような影響を与えると思いますか？
人間は精神的に幸せだと感じている時は、たとえ体のどこかに不調があったとしても幸せです。 逆に一番幸せを感じられないのは、怒りと恐怖に苛まれている時。この感情が人間の心を台無しにします。つまり、全てのウェルビーイングは自分の脳からつくり出されるということです。
これを教えてくれるのが、NLCS Kobeを取り巻く豊かな自然。時が経つにつれて木々は緑になり、色が変わり、また葉が落ちていきます。こういった自然のライフサイクルが、ウェルビーイングとは何なのかを人間に教えてくれると思っています。
今、私たちは変動の時代を生きています。そして変動のサイクルはどんどん速くなっています。 変わるということは、必ずしも悪いことではありません。しかし多くの人は、変わるということに恐怖や不安を感じています。
NLCS Kobeで生活する子供たちには、自然がそうであるように、変わっていくことが当たり前なのだと知ってほしい。変動は自分が望まなくても必ず起こるものです。そこに適応するのではなく、変わることが幸せになるチャンスなのだと、自然を通じて学んでほしいと思っています。
何かが変わっていく時、自分を助けてくれるのは想像力です。どんな問題に向き合うことになっても、想像力があれば必ず乗り越えられ、その先を見ることができます。学校で教えなければいけないことは、本の中に書かれていることではなく、想像力を身につけることだと思います。
NLCS Kobeの子供たちは
専門家をつなぐような創造的な人に
―今後、社会ではどのような人が求められると思いますか？
今の社会には、専門家であることが重要だと勘違いしている人が多いように思います。専門家であることによって分断化されてしまい、隣の人のやっていることが見えていない人があまりにも多い。ある分野におけるエキスパートであっても、社会生活が全く営めない人もいれば、 自分の思っていることをうまく表現できない人もいます。 けれども何らかには特化していて、非常に専門的な知識を持っている。
今後の社会では、あまりにも専門化しすぎて世の中の倫理を忘れてしまう人よりも、 いろんな知識を知っていて、物事を俯瞰で見ることができ、悪なのか正義なのかを自分の心で判断できる人が求められると思います。もちろん専門家は専門家で、おそらく今後も居続けるでしょう。でもその人たちをつなぐ人がいなければ、専門家がいくらいても全く役には立ちません。
例えば私の職業ですと、建築家がそれぞれの専門家をまとめてつなぐことによって一つの建物ができます。構造の責任者や技術者がいるだけでは建物は建ちません。また専門性だけに頼っても、人々が求めるような美しい建築は生まれないのです。
コンピューターなども同じです。コンピューターを使うことに長けている人は、それを何のために使っているのかという主旨を忘れてしまっている。フランスの哲学者・エドガール・モランが言うように、私たちは学ぶ術を学ばなければいけません。技術や知識に長けていることではなく、それらをどう組み合わせて使うかということが重要なのです。
―では最後に、NLCS Kobeへの入学を検討されている方々にメッセージをお願いします。
幼い頃からさまざまな国の人と一緒に学べるということは、非常に大きなアドバンテージです。人間は一人ひとり、言語や文化、育った過程が違います。NLCS Kobeで共存していく中で、子供たちはその違いを体感することができるでしょう。
さらに日本という国は独特で、他の国にはないものを持っています。例えば自然との関わり方。料理の中にまで四季が表現されているような国は他にはありません。また美意識の高さも日本特有のものです。日本文化の中にしかない意識の高さ、物事や自然、生物に対する配慮は、日本で学ぶからこそ習得できるものだと思っています。私が何度も日本を訪れたいと思うのも、そうした理由からです。
NLCS Kobeで成長していく子供たちは、多様な人との交流を怖がることはないでしょう。そして日本ならではの価値観と正しい倫理観を身につけ、専門家をつなぐような創造的な人になれると信じています。
本日はありがとうございました！校舎の完成も楽しみにしています。
イタリアのミケーレ・デ・ルッキ氏より、みなさまにメッセージビデオが届きました♪
このたび、“ミケーレサンタ”からの クリスマスプレゼントとして、校舎のパース公開とともにビデオメッセージをYoutube、Instagramにて配信中です。「大人のみなさまへ」の動画では、ミケーレ氏自らが六甲山の新校舎について語る内容となっております。ぜひチェックしてみてくださいね。
🎁 子供たちへ
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🎁 大人のみなさまへ
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What we can learn from a "school building that coexists with the forest": Master architect Michele De Lucchi's thoughts on what architecture can bring to education
North London Collegiate School Kobe (NLCS Kobe) will open a new school building in Mt. Rokko National Park in 2028, and will be a boarding school for junior and senior high school students. The new school building will be designed by AMDL CIRCLE, the studio of Michele De Lucchi, one of Italy's leading contemporary architects. Writer Katagiri spoke with Michele about the impact that a learning environment rich in nature will have on children, and his thoughts on the relationship between architecture and education.
Michele De Lucchi / Architect and Founder of AMDL CIRCLE
Born in Ferrara, northern Italy in 1951. As an architect with his studio, he has been involved in important architectural projects around the world, from homes and offices to industrial buildings and cultural facilities. Notable works include the Deutsche Bank Building, Deutsche Bahn, ENEL (energy company), Italian Post Office, Hera (energy company), Intesa Sanpaolo Bank, and UniCredit Bank. He has also designed many products and interior collections, including furniture and lighting, at the request of European luxury brands and famous companies, including Hermes.
Experience a bird's-eye view of things, like looking at the scenery from Mt. Rokko
―Michele is a world-renowned architect and a key member of the Memphis group of designers that sparked a major movement in the 1980s. With his studio AMDL CIRCLE He also directed the Rokko Silence Resort, and in recent years has been focusing on the experimental project EARTH STATIONS, which considers the future of architecture. The first thing I would like to ask Michele is what he thinks about the social role of architects.
That's a very good question, but at the same time, it's also a difficult one. Ever since I chose this profession, I've always thought about how I would interact with society as an architect. In that sense, the social role of an architect has always been in my mind.
An architect's job is not just to design buildings. If that were the case, someone skilled in design techniques would do it. Architects don't just create spaces, but they have to imagine how the people who live there will move, what they eat, what they feel, and how society will change, and make proposals that fit their lifestyles. And what's important is that the people who live there are also greatly influenced by the space. That's why we have to study human behavior and sociology and think about how the buildings we design will be defined in society in the future. I think that's essential for us architects.
―I think what you just said is also important in the context of the space known as a "school." How did you feel when you received the offer to design the school building for NLCS Kobe?
I was so happy! Because the education field is the place I wanted to be involved with the most. Society needs to invest in people. And what I mean by investing is "providing education." I think this is a common theme all over the world.
―What do you think is the difference between NLCS Kobe and other schools?
First of all, it is located in Mt. Rokko, a place rich in nature. Here, the children, teachers, and buildings all coexist with nature. I think this is an overwhelming difference from other schools and also the identity of NLCS Kobe. We humans were born from nature. The theme that society will face in the future is how to protect nature and how to coexist with it. I think the appeal of this school is that we can all experience this theme as an educational setting.
Furthermore, it is also important that you can experience looking at things from a bird's eye view. Since the school building is built near the top of the mountain, you can see not only the surrounding forest but also the distant scenery. Instead of closing yourself off in your own problems and your own world, you can physically experience looking at things objectively. By doing so, I think you will unconsciously develop values that look into the distance, beyond the various problems in the world, such as racial differences and personality differences.
The building does not stand out more than the trees, but rather "coexists with the forest."
―What do you consider important when designing a school building?
We want to avoid cutting down trees as much as possible so that children can grow up in nature. We are proceeding with the design with the theme of "coexisting with the forest" rather than the building being more noticeable than the trees.
We also want children to realize that humans cannot survive alone. To do this, we need places where children can gather and play, and places where they can all enjoy talking together. Through these places, children will develop sociality and learn the importance of cooperation.
As many researchers have advocated, humans are the only creatures born in this world that can coexist and cooperate with each other. Unfortunately, there are wars in some parts of the world right now, and there are scenes where people hurt each other instead of cooperate with each other... Cooperating means accomplishing something together. We want children to grow up experiencing the human nature of not being able to survive without cooperation.
―Is there any difficulty in designing such a location surrounded by nature?
Of course, there are some difficult aspects. First of all, to build a school building, a certain degree of flat land is necessary, but the proposed construction site is on a slope. Also, if we were to include all the classrooms necessary for each curriculum in the school building, it would end up being quite voluminous. There is a beautiful forest on the proposed construction site, so we want to build the school without destroying the natural system such as trees, rivers, and ponds as much as possible. Figuring out how to do this is extremely difficult.
I want people to learn through nature that change is not something to be afraid of, but an opportunity to be happy.
―Michele, you are also a father of four children. All four of them studied at boarding schools in the UK. What were your impressions from a parent's perspective?
Before sending them to school, I was really worried about whether it would be okay to send them to a boarding school in faraway England. So, during the first holiday after enrollment, I always asked the children who had come home, "How is school? Are you feeling lonely?" They all answered, "I'm so happy! I'm glad I went to that school." There were Japanese, Taiwanese, and American students at the school. They said it was fun because there were students from all over the world.
Their friendship has continued even after they became adults, and they keep in touch regularly and get together when someone comes back to Europe. I think it's really wonderful that they were able to develop such irreplaceable friendships during their school years.
―That's a wonderful story. But have you ever heard any painful stories from your children?
If anything, it was us parents who suffered (laughs). We all had dinner together every day, and on weekends we would read books and play together, which were very happy times. However, when our children started going to boarding school, we could no longer do these normal things, and my wife and I felt really lonely.
We tried desperately to hide how we felt from our children, but a few years after they graduated, they started coming over to our house again with their friends, and in the end, it felt like we had a new family, which made us very happy. It feels like our children have remembered the importance of spending time together as a family.
―So attending a boarding school has also led to improved well-being for your family. So how do you think the environment at NLCS Kobe affects the well-being of the children, their families, teachers, and other people involved with the school?
When humans feel happy mentally, they are happy even if they are not feeling well. On the other hand, the least happy times are when they are plagued by anger and fear. These emotions ruin the human mind. In other words, all well-being is created by our brains.
The rich nature surrounding NLCS Kobe teaches us this. As time passes, the trees turn green, change color, and lose their leaves. I believe that this life cycle of nature teaches humans what well-being is.
We are living in an age of change right now. And the cycle of change is getting faster and faster. Change is not necessarily a bad thing. However, many people feel fear and anxiety about change.
I want the children living at NLCS Kobe to know that change is natural, just like nature. Change will always happen even if you don't want it to. I want them to learn through nature that change is an opportunity to be happy, rather than adapting to it.
When something changes, it is your imagination that will help you. No matter what problems we face, if we have imagination, we can overcome them and see beyond them. I think what we need to teach in schools is not what is written in books, but how to develop imagination.
Children of NLCS Kobe
Become a creative person who connects experts
―What kind of people do you think will be needed in society in the future?
I think that there are many people in today's society who mistakenly believe that being an expert is important. Being an expert has divided people, and there are too many people who cannot see what the people next to them are doing. Even if they are experts in a certain field, some people cannot live a social life at all, and some people cannot express their thoughts well. However, they are specialized in something and have very specialized knowledge.
In the future, I think that rather than people who specialize too much and forget the ethics of the world, we will need people who know a variety of knowledge, can see things from a bird's eye view, and can judge in their own hearts whether something is evil or justice. Of course, experts are experts, and they will probably continue to be experts in the future. But if there is no one to connect them, no matter how many experts there are, they will be of no use at all.
For example, in my profession, an architect brings together and connects each expert to create a building. A building cannot be built with just a structural manager or an engineer. Also, relying only on expertise will not create the beautiful architecture that people want.
It's the same with computers. People who are good at using computers have forgotten the main purpose of using them. As the French philosopher Edgar Morin said, we must learn to learn. It is not about having skills or knowledge, but how to combine them.
―Finally, please give a message to those who are considering enrolling in NLCS Kobe.
Being able to learn with people from various countries from an early age is a huge advantage. Each person has a different language, culture, and upbringing. By coexisting at NLCS Kobe, children will be able to experience these differences.
Furthermore, Japan is unique and has things that other countries do not have. For example, the way we relate to nature. There is no other country that expresses the four seasons even in its cuisine. Japan also has a high level of aesthetic sense. I believe that the high level of awareness that is unique to Japanese culture and the consideration for things, nature, and living things can only be acquired by studying in Japan. That is why I want to visit Japan many times.
Children who grow up at NLCS Kobe will not be afraid of interacting with diverse people. I believe that they will acquire values and correct ethics unique to Japan and become creative people who can connect experts.
Thank you for today! I'm looking forward to seeing the school building completed.
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