グレーと金刺繍…M1600LEの色だ。
2021年復刻されたCM1600LE。金刺繍が無ければ購入していたという方もいらっしゃったのではないでしょうか。今回ご紹介するToshiさんは、誰よりも1600の復刻を待ち望み、金刺繍があるからこその1600であると改めて認識するストーリーです。
mita×HECTIC やはり購入できなかった580
20年ほど前に原宿で露店を開いていた際、荷物の搬入や在庫整理で歩き回っていました。当時スタンスミスなどを履いていましたが、どうしても足が痛くなったり、ソールが割れてしまったりと長持ちしなく困っていました。たまたま近くのショップで新しい靴を試そうと思い買った【MT580】を履き、荷物を持って歩いた時の安定感と歩き易さ、頑丈さにビックリしたのがハマったきっかけですね。
裏原、ストリート系が全盛期でニューバランスと言えば580が人気を集めていました。1000番台や900番台はセレクト系や古着、アメカジの方々と完全に分かれていました。
その後を何足か買い足し、履いては買い直すを繰り返していましたね。当時MT580であれば販路も広かったので1万円くらいで気軽に購入できましたね。 心残りとしては、mita sneakers×HECTICやstussyは正直プレ値で手が出なかったのを覚えています。
古着屋と1600
高校生の時にNIKEやadidasが流行っていた中、足に合わず、大きくてもいいからエアマックスか、周りと被らないスニーカーを探していました。 週4で通っていた古着屋の店長に【M1400】をオススメされましたが、おじさんの靴じゃんと話をしていたら「あんまり人気無くて売れ残ってるけど良いスニーカーあるよ」と言われ出されたのが【M1600】でした。
全くニューバランスに関する知識など知らずに、スニーカーなのに金刺繍が入っていて後ろには「JUST FOR FEET」という当時のアメリカで有名だったスポーツショップの名前が入っている奇抜さに惹かれ最初に買ったのがニューバランス【M1600LE】でした。
当時スニーカーに刺繍が入っているのは斬新でした。一部ではカッコ良いと評判でしたが、日本ではヴィジュアル系の服装がよく英字で細かく刺繍が入っていてダサいとも言われていた時代だったのであまり注目されていませんでしたね。
1600を履いた時の衝撃は今でも忘れられませんね。他の靴にはない衝撃吸収性、スムーズな足運び、見た目とは裏腹に、どんな服装にも合い、使い勝手の良さにドハマりでした。
N Lab:最近ニューバランスを履き始めた方からすると、逆に金刺繍が無ければ買うという方が多かった印象ですが、そのよう背景があると180度見え方が変わってきますね。
1600は金刺繍あっての1600です。今回の復刻は「JUST FOR THE FIT」に変更されており、色々と事情はあると思いますが、少し残念でした。
1600復刻を知った瞬間
1600が復刻すると知った時はワクワクしましたね。暇を見つけてはディティールを舐め回すように確認していました。発売当日は仕事もあったので、売り切れたらヤバイと思い、家から1番近くのセレクトショップに朝一番で駆け込みました。
今回の復刻も世間ではあまり注目されなかったので、まさかこんなに人気がないと思っておらず、友人にも定価で1600を購入したことをバカにされました。ストックを1,2足くらい買っておこうかと迷っているくらい思い出もあり好みの1足です。ですが、やはりUSA製で復刻はしてほしかったです。
所有しない選び方
必ず履いて自分の足に合い、1週間で1回は履けるだけの足数しか所有しないように心掛けています。
もう1つは、品番が被らないようにして様々なソールシステムを楽しみ、カラーもできるだけ被らないようにしています。気が付くとグレーだけになるので。
最近は抽選であったり、このご時世の影響もあり守れてない事が多いです。大雨でない限りガンガン履きます。加水分解は怖いですが、メンテナンスでカバーするが基本ですね。
気付くと履いてる1足
現在は7足と少なめですが、それぞれにメンテナンスが行届き、満遍なく履いているつもりでしたが、玄関に常時置いてありちょっとした外出や雨の日も気にせず履いてしまう【M990BM5】が多かったと思います。
最近では復刻が出るまで長持ちさせたいがために2年前から真空パック保存していた【M585GR】が履く頻度が増えています。歩きやすさとroll barによる安定感に再度ハマり気味です。ちなみ585は履きたい欲求に負けて開封してしまっただけです。(roll bar:足が内側への倒れ込みを防ぐ働きがある)
New Balance 580 delivered from Japan
M1400が日本で完成されたと言われている歴史の中で埋もれてしまっていますが、MT580やMRT580の今があるのは日本の90年代のストリートシーン、ミタスニーカーズさんがM585をアレンジを加え、MT580を育てたスニーカーということです。
当時の日本だとスニーカー自体の機能や履き心地は良いけれど、カラーリングがシーンに適していない、おじさんの靴という固定概念がかなり大きかったと、当時ヘクティクのスタッフさんからお聞きしました。
参考動画はこちら
売れないなら皆んなで固定概念をぶっ壊し、アレンジをしてしまおうというのがワゴンセールで3000円~4000円で売られていたMT580をミタスニーカーズ、ヘクティクのコラボによって今の市民権を得たということです。