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Tomb Mold - The Enduring Spirit

20 Back Spin(2023)

カナダはトロントの3人組による2023年4thアルバム。今作はPitchforkでもBEST NEW MUSICを獲得し、一気にメタル界隈の枠を飛び越えてその名を知られることになった。
前作のPlanetary Clairvoyance(2019)もメタル界隈ではかなり評価が高いアルバムで、重く暗いドロドロとした空気もデスメタルの王道を通っており素晴らしかったのだが、一転して今作では随所でいくらかメロディアスでプログレッシヴなサウンドも多く垣間見られこれはギターのDerrick Vellaによるドゥーム・プロジェクト、Dream Unending(こちらもかなり素晴らしいので聴いていただきたい)でも聴けるようなアトモスフェリックなサウンドも上手く作品に昇華させて散りばめられている。

音楽スタイルはスタンダードなオールドスクール・デスメタルを軸にしているのだが、決して攻撃的なだけではなく#3『Will of Whispers』#7『The Enduring Spirit of Calamity』のようなポストロックにもアクセスするようなバンドが表現する11分間の壮大な小宇宙をも体験させてくれる傑作だ。どこか知的な部分をも感じさせ、Tomb Moldサウンドを完全に確立したといって断言していいだろう。現行のデスメタルの中でも重要な分岐点になるような2020年代の新たなマスターピースの誕生だ。

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