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Dawn Ray'd - To Know The Light

Prosthetic Records(2019)

UKのリヴァプールで結成された3ピース・ブラック・メタル・バンドによる2023年にリリースされた3枚目にしてラストアルバム。
純粋なブラック・メタルを軸にしつつヴァイオリンが奏でるフォーク的な要素とのバランスが絶妙で、アトモスフェリックな雰囲気の中に怒りをぶつけ、今の世の中へ一貫して反ファシズムを掲げながら叫び訴えかけてきた彼らはこのアルバムリリース後に突如解散してしまう。

同じ政治的メッセージを訴えかけてきた中で代表的なバンドだとRage Against The Machineを思いだしてしまうのだが、いつの時代もこういうバンドは社会が生み出し中指を立て続け抵抗してきた。
Dawn Ray'dは反ファシズムであり、アナキズムであり、精神的にもメッセージ的にもかなりパンク寄りに近い存在だ。そのせいかブラック・メタルに多くみられる反キリスト思想とは異なるためにメタラーからはどうも批判されることがあるらしいのだが、重要なのはもはやそこでは無くて音楽のジャンルは彼らにとって手段のひとつでしかなく、彼らはメタルという最もヘヴィなサウンドで世の中の不満を叫び訴えかけ、フォークによって今までの傷を物語のように読み聴かせてきたのだ。解散してしまったのは残念だが、次の世代からその先も社会が変わるまでまだまだこういうバンドは手段を選ばず後からどんどん沸いて出てくるだろう。
今の政治家たちの鼓膜を破るまで。

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