Fulci - Duck Face Killings
イタリアのブルータル・デスメタル・バンドによる2024年4thアルバム。Fulciはイタリアのホラー映画の巨匠Lucio Fulciにインスパイアを受けて2013年に結成され、数多くの作品を残す彼の映画の中で本作は1982年のサスペンス・ホラー『ザ・リッパー』へのオマージュとして製作されたアルバム。
随所に散りばめられてるホラー映画さながらの怪しげでB級ホラー味を感じさせるシンセサイザーがアルバム全体の良い雰囲気を醸し出しており、今のデスメタル・シーンの中ではコンセプトもはっきりしており、良い意味で分かりやすい。
#6『Knife』ではこの手のジャンルでは珍しいNYのインディ・ラッパー、Lord Goatフューチャリングによるラップパートもこの界隈でも新鮮味がある一曲だ。#10『Rotten Apple』では冒頭に劇中のサンプリング(アヒルのような声で殺人鬼が女性に襲いかかるシュールなシーン)が使われていたり、
ラストを飾るインスト曲#13『Ⅱ Miele Del Diavolo』はサックスパートが80'sの空気漂うノスタルジー感を演出しており、彼らの映画好きとこだわりがストレートに伝わってくる。
デスメタル×イタリアン・ホラームービーの組み合わせはカルチャーと遊び心、そして映画へのリスペクトに溢れた素晴らしいアルバムだ。
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