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Green-House - Music for Living Space

Leaving Records(2021)

吉村弘や芦川聡、INOYAMALANDなどここ最近の日本の環境音楽やニューエイジ/アンビエントの再熱で熱心な音楽ファンが盛り上がりをみせていたのが2年前の2019年から2020年頃。名盤の再発も落ち着いてきたところでロサンゼルスからの回答とでもいうべきだろうか。人間と自然を調和させるOlive Ardizoniによるソロ・プロジェクト、Green-Houseによる1stアルバム。正直なところ、この作品に革新的な何かや新しいものを期待しているのならばそれは少し違うかもしれない。素朴で優しいシンセサイザーやピアノ、フィールドレコーディングがあなたの生活空間にただただ優しく寄り添い、深呼吸をさせて落ち着かせてくれる、そんなアルバムだ。


似たような作品でカナダのMort Garsonによる『Mother Earth's Plantasia』という作品があり、「植物とそれらを愛でる人々のための暖かな地球の音楽」というテーマでMort Garsonもまた人間と自然を調和させようとしていた音楽家の一人だった。

そして日本では吉村弘が『Green』という緑をテーマにした作品(植物を指す緑だけではなく言葉の響きや派生するイメージを重要視しているとのこと)でまたMort Garsonとはまた違う表現方法で自然をテーマにしていることから環境音楽では過去に何回も自然がテーマにされてきた作品がある。

今回のGreen-Houseは生活空間に寄り添う音楽だが、Mort Garsonや吉村弘が森や陽光などの自然の暖かさを外に出向いて直接感じとっていたのならば、Green-Houseは部屋にある観葉植物やベランダの植物、ガラス越しやカーテン越しから差し込む光、外から聴こえてくる鳥のさえずりからインスピレーションを感じとっているように私は思う。

この『Music for Living Space』はこのパンデミックで荒れている貴方の生活に少しだけ暖かい光が差し込み、ストレスを取り除いて穏やかな時間を与えてくれる1枚になるだろう。

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