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B2B ECサイト「goooods」の資金調達について思うこと

こんにちは。
山あり谷ありナカタニエイトです!

さて今回は『eコマース』について、です。

「eコマース」(=EC)とは、「electronic commerce」の略称で、商品・サービスをインターネットのサイト上で売買することを指します。

世界で最も有名なECサイトといえば、「Amazon.com」でしょう。

さて、そんな『eコマース』について、気になるニュースが届きました。

卸・仕入のB2B コマースプラットフォーム「goooods(グッズ)」の運営を行う goooods は18日、直近のラウンドで6.7億円を調達したと発表した。

BRIDGE 編集部 2024.04.19

まず「goooods」というB2B ECとは何かから簡単に解説します。

B2Bとは、「business-to-business」の略称で、企業間取引のことを指します。企業間、つまり、製造業者(メーカー)と卸売企業、卸売企業と小売企業などの間で行われる取引のことですね。

なお、B2Cは「business-to-consumer」で企業と消費者間の取引、B2Gは「business-to-government」で企業と政府の取引となります。

というわけで、「B2B EC」とは、企業間のインターネットサイト上での取引のことを指す訳です。

では、B2B ECサイトの「goooods」とは何か?

卸売・仕入がワンストップで完結するB2Bコマースプラットフォーム「グッズ」について
グッズは、巨大な卸売産業で新規取引先がみつかる「マーケットプレイス機能」、そして高度な受発注・経理業務DXで「バックオフィス業務自動化」を同時実現できるワンストッププラットフォームを提供しています。

goooods社:2024-04-17 プレスリリース

つまり、インターネット上で買い手が仕入れを行うことができ、かつ、買い手は複数の取引先から仕入れても支払いは「goooods」に対してのみ行えば良いので、効率が良い、ということです。

そのB2B ECサイトである「goooods」を運営する企業が資金調達をした、というニュースですね。

しかし、自分はふと思いました。

「goooods って本当に、仕入れ側として効率が良いんだっけ?」と。

なぜそう思ったのかについて、これから説明していきます。

まず、小売業は営業利益率が決して高くはない業種であるということです。

※ 営業利益率=売上高の中に占める営業利益(売上総利益から販売管理費を除いた残りの金額)の割合を表したもの

少々古いデータではありますが、2007/10/1の経済産業省による商工業実態基本調査の報告によると以下の記載があります。

小売企業における売上高営業利益率は、小売業平均で2.1%となった。

商工業実態基本調査 - 経済産業省(2007.10.1)

つまり、売上に対して2%程度のみの営業利益しか出ないのです。

「goooods」というプラットフォーム(=PF)では、商品の買い付け(買い手)には手数料は発生しないと述べています。となると、手数料は売り手から取っているのであろうと考えられます。

そうなると、売り手は価格に転嫁して販売することになるので、おそらく直接取引をするよりも高い価格で仕入れることになるのでしょう。

そうなると、消費者は「同一商品であれば安価な方を買う」と考えられるため、直接取引をしている企業と比較すると競争力で負ける可能性があります。

売れなければ、いくら仕入れても収益はゼロ。むしろ在庫がリスクとなっていく訳ですが、高く仕入れているので、安く売ろうとすると利益率を下げてしまうため、自らの首が締まってしまいます。

と僕はパッと思ったのですが、しかし、「goooods」も考えていました。

どのブランドでも、初めての仕入れ取引は30日間返品可能。万が一、「売れ残ってしまった」という場合にも返品できるから在庫リスク無し!いろんなブランドを気軽に仕入れてみましょう。

goooods

なるほど。面白い仕組みですね。

「初めて仕入れ先との取引ならば」というところがポイントであろうと思われます。

こうして、「新規取引先」とのやりとりを活性化させていく訳ですね。

また、PFとしてのリスクヘッジにもなっていると思われます。

どういうことかというと、このようなB2BのPFでは往々にして、「手数料取られるなら、PFを取っ払って直接取引してしまおう」という相談がなされるからです。
そうすれば、既にやり取りしたことのある企業同士なのでお互いに安心感があ中で、手数料分は減額され、より長い付き合いができる可能性がありますからね。

だからこそ、goooods社としては、PFを飛ばされても良いように「新規の取引」を活発に行えるようサービスモデルを組んでいるのでしょう。

また、goooods社の狙いはおそらくもう一つあります。

それは、「人気商品を見つけること」です。

なぜならば、PFで活発にやり取りされている商品=「よく売れる商品」ということになるからです。

よく売れる商品がわかっているならば、自社で仕入れて販売してしまえば良い。

そう考えてもおかしくはないですよね?

というか、実際に行っている企業が既にあります。

そう、Amazon.com や セブンイレブンです。それ以外にも、スーパーや各種コンビニでも行っています。

それが「プライベートブランド(PB)」と言われる商品です。

人気商品がわかれば、自分で作って、自分の店舗・サイトで売ってしまう。

仕入れて売るよりも、作り方さえわかっていれば、自社製品を売った方が仕入れる費用は不要で原価のみ費用としてかかるため、同じ値段で売れば利益率が高いですし、仕入れ費用がないので人気商品と類似の商品を少し安く販売できるため、消費者も手に取りやすくなるのです。

ジェネリック医薬品も同じような仕組みですね。

というわけで、「goooods って本当に効率が良いんだっけ?」と思った訳です。

もちろん、新しく小売業を始めたい方や、新規取引先を探している方にはとても有望なサイトであることは言うまでもありません。

しかし、商売をPFだけに頼っていては、なかなか利益が上がらない……なーんてことになり得るのでは?と思ったりした次第です。

おっと、ちょっと長くなりましたね。
今日はこの辺りで終わりにしましょう。

面白かったよという方は、ぜひハートボタンを押したり、シェアをしたり、コメントをしてあげてください!
次回に向けて書くモチベーションが湧いてきます。

以上、ナカタニエイトでした!

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