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仕事で100点をもらえるか

以前書いた文章が出てきた。


小1の息子から聞かれた。

「おかあさんのしごとでは、どうしたら100てんもらえるの?」

それはね、とても難しいことなんだよ。
100点を取るのは、ちゃんと学校を出て大人になっても、難しい。

学校のお勉強では、先生が問題を出して、全部正解したら100点をもらえる。
その問題というのは、授業で勉強して、毎日宿題をしていれば、みんな正解できるように作られている。

会社の仕事はそうじゃないんだ。

まず、みんなに同じ問題が出されない。
お母さんにはこういう問題。
隣のおじさんには違う問題。
みんな、違うものに取り組んでいる。
だから、みんなで同じことを勉強していても、あまり役に立たない。

しかも、出される問題に対して、答えがあったりなかったりする。
自分が100点だと思う答えを出しても、相手には100点って言ってもらえない。
自信を持っていても、80点だったり、20点だったりする。
もうこの仕事しなくてもいいよって言われることまである。
怖いよね。

どんどん新しいことを自分で勉強して、自分だけの答えを探さなきゃいけない。
そのときの自分が出した100点の答えが、何年か経ったら0点になることだってある。
「そうそう、そんな答えが欲しかった」って言ってもらえるように、ずっと勉強して頑張っていくこと。
「何だよ、全然違うよ」って言われても、めげないこと。

100点取っても、20点取っても、毎日続けていれば、100点を取れる回数は増えるかもしれないし、もしかしたら120点を取れることも出てくるかもしれない。
そうやって、楽しみながら、毎日仕事ってのはするもんなんだよ。

6歳の君を社会に送り出すまでにはまだ十数年あるけれども、働くって面白そうだと思ってもらえるように、お母さんは仕事を続けていくつもりだよ。
お父さんも同じだと思うよ。


今、学校を卒業してから一度も働いたことがなかった人や、前の職場で嫌な目に遭ってしばらく働けていなかった人に、「うちが合うようだったら来ませんか?」と声をかけ、継続的に働けるようにサポートする仕事をしている。

働いた経験が浅い人は報連相を徹底することや、自分のコンディションと依頼内容が合致しているかを見極めるところからだったりする。ルーティン業務ではないので、豊富な職歴があったとしても毎回100点とはいかない。そんな中で、最初のうちは赤点でも、好きこそものの上手なれとばかりに頑張ってメキメキ伸びる人がいる。

仕事である以上、心を鬼にして宣告しなくてはならないときもあるのだが、頑張りたい人に機会を提供できるやり甲斐は他に代えがたい。

うちの子たちもまだ義務教育を受けているところだが、学校に行くのは当然の権利として受け身になるのではなく、数年先は自ら努力して機会を掴んでいく必要があるのだと今一度伝えよう。

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