おにぎりの具材の理想的な選択数は?
好きなおにぎりの具材が分からなくなった。始まりは同僚の一言。「おにぎりの専門店を知っているか?」僕は首を横に振る。家庭の独自性が優先されると思っていたおにぎりに、専門性を追求しているお店があることに衝撃を受けた。
「何を隠そう、僕はおにぎりが好物だ。普段はお茶碗1杯分しかお米は食べないけど、おにぎりならお茶碗3杯分はいける」。専門店の存在に興奮した僕は、何の自慢にもならない事をお店に行く道中で誇らしく同僚に語った。
さすが専門店。多くのおにぎりが高級ジュエリーのように陳列されている。「何にするの?」同僚に聞かれたが、種類が多すぎて悩む。どれを選んでも後悔しそうだ。さんざん悩んだ結果、家でも食べられる鮭と昆布、梅干しを選んでしまった。
理想的な選択肢の数はいくつなのだろう。そんな事を悶々と考えていると「おいしいな。また行こう」と同僚が言った。そうか、後悔なんかせず、また行けば良いのだ。