海の日に大喜利なんて
(ショートショートはここから始まります…)
今日は、快晴。雲一つない青空が広がり、絶好の海水浴日和だ。だが、僕が向かっているのは学校。赤点の補習だ。対象者は僕を含め4名。
赤点を取る僕らを一斉に集めて補習を行うことに無理がある。開始5分で僕らの集中力は、水平線の彼方に飛んでいってしまった。僕らがいる場所は、海がよく見える教室なのだ。
「今日、海のピが出るらしい」。僕は無表情でノートに大きくそう書き、3人に見せた。この5分で1ミリも動かなかった3人のペンが、急に走り始める。
「海のピの音色は美しいらしい」。船上に素晴らしい弾き手でもいるのかな。
「海のピは、嘘をつくと鼻が伸びるらしい。その強靭で長い鼻を使って、クジラをワンパンできる」。ワンパンならゼペットじいさんも安心だ。
「海のピの数値が7以下になるらしい。このタイミングで海に入ってしまうと体が溶けるぞ」。それ多分、酸性だね。たしかに危ない。
今日は、海の日。休日だ。大喜利なんかせずに海に行こう。(408文字)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?