夏の終わりのOtona Camp@北海道/小樽
雷鳴轟く台風と大雨の後に、急にひんやりとした空気が訪れて、夏の終わりがすべての人の肌に訪れたようでした。かの台風で被災された方もいて、この夏もただ事では終わらない夏だったなと感じてます。被災された方々の復興を心から祈っています。
テレビをほとんど見ない暮らしなので、SNSを通じて惨状を知りました。日本という海に囲まれた細長い列島を体に例えると、千葉はどこだろう。そんなふうに考えると、人間一人一人は細胞です。
傷ついた場所に向かって、補修を試みる。血小板さながら真っ先に行動を起こしていた強き人たちにリスペクトを、戦い続ける現地の方たちに心からのエールを。僕は特定の神様を信じていないけど、祈ることくらいしかできない自分がもどかしい。田中光さんは真っ先に、物資の提供のために動いていた。
今の自分が持っている時間の中で、できることをできるだけしたいと思う。僕が一細胞としてするべき役割について考えてた。好きなことを仕事にしているからこそ、できることがきっとあるはずで、死ぬまでにそれで誰かの役に立ちたいと思う。
こんな時音楽にできることって、もちろんヒーローになってみんなの憧れになることが一番だとは思うけど、それだけではなくて、どんなにキツイ状況にあっても「あの日は楽しかったな」とか「あの日に戻りたいな」とか「またあんな時間を過ごせるかな」とか、そんな風に誰かの人生の力になるもののような気もする。
歌はもちろんそうだけど、レコードやコーヒーも実はそう、聞くため、楽しむためのハードルが高いからこそ、豊かさの一つの象徴とも言える。そして実際にそうだ。僕はいつか「あのメインアンプを手に入れたい」とか「MC針に変えたい」とか考えるだけで楽しくなる。コーヒーも、脱サラして焙煎機を買ってしまう人がいるような世界です。言わずもがな。
だから好きなことを仕事にしている人は何か起きた時にどうかというよりも、今この瞬間、自分がいる場所をほんのひと時でも豊かにできることがきっと大事なんだと思う。そう思うと、何もない平和な日々に当たり前のように消費されていく音楽の時間、おししいコーヒー、いい音のレコードたちこそ、キツイ時に誰かを奮い立たせてくれる記憶を心の中に残してくれるのだ。と考えることができる。平和な日々こそ全神経を注いで、豊かな体験を届け続けなくてはいけない。
人生が70歳まで続くと仮定して、ちょうど半分と少しの夏を消費しました。
後何回、僕らは夏を味わうのでしょう。子供時代の永遠に続くかのような夏休みはいつのことか、あまりに忙しい大人の夏。毎日が飛ぶようにすぎていきます。
あらゆる景色が太陽の光と熱に照らされて輝くこの季節は、様々なシーンを印象的に残していく。
一夏のなんとやら。終わってしまうとわかっているからこそ焼き付けたいと強く願うのでしょうか。やたらと人間臭い季節です。
随分と様々なところに行った夏でございました。新しい仕事も始まって、平日は缶詰のように夢中で働くし、週末はEmeraldで様々な現場へ。
Emeraldも少しずつですが、声をかけてもらえることが増えてきました。
ありがたい限りです。メンバー総出で計画を練り、一つ一つを形にしていく旅です。
僕はそんな夏の最後に、家族と北海道は小樽へ。
sleepy.abの成山さんに誘われ、元19の岩瀬敬吾さん、chimaちゃんと小樽の自然の森で行われたOtona Campという手作りキャンプイベントに出演してきました。
その帰りの飛行機でこれを書いております。
出発前日までが鬼のような忙しさであったため、全く心にも体にも余裕がなかった。4時間くらい寝て起きて、ギターを担いで飛行機へ。自然に囲まれた森に着いてリハが終わった途端に、バンガローで眠りこけ、気づいたら暗くなっていました。
DJが名曲を立て続けにかけていて、主催の高野さんが夕ご飯のスリランカカレーを振舞ってくれて、なんと八海山の協賛の元来場者は全員日本酒が飲み放題。現地で飲み食べに1円も使うことなく、ひたすらに贅沢な時間が流れていました。アットホームな空気の中、僕のことを知ってくれているお客さんもいた。普段日本酒は飲まないようにしているのだけど、この日ばかりはと、様々な種類の日本酒を飲んだ。どれもとてつもなく美味しかった。日本酒って、日常的に飲むというよりは特別な時に、楽しむイメージがあるのです。
そうそう。共演の岩瀬さんてどんな人なんだろうなと思ったら、全然昔と変わらない風貌で、、。そしてとても人懐こく、博識な人でした。歌からは「和」の要素を感じましたね。ギターの位置ががすごい低くて、みんなでそれを突っ込みつつ「Jだ、、」という成山さん。「ビリージョーだ、、、」という僕。どちらも「ベースじゃん!」と笑う。とにかく人柄が最高でしたね。あんなギター低いのはネハンベースの入i、、さんくらいじゃないか笑。共に台湾へ演奏旅行に行った成山さんとchimaちゃんとのつかの間の再開。いつあっても、ブレない空気に安心した。
したたか酔っ払った岩瀬さんも可愛かったし、マイペースな成山さんも楽しかったし、余裕がないなりに、自分らしく楽しんで歌えた気がする。成山さんの持ってた声のよく出る漢方薬に救われました。このイベントは3回目、夜中の利き酒大会があったりしてとにかく大人のレクリエーションキャンプという感じだった。そんな場所で歌が歌えるなんてね。お客さんもみんな参加する。人が持っているエネルギーがゆるく優しく流れる空間だった。
主催者の高野さんという方は、小樽の酒屋の三代目、実家に戻って酒屋を継ぐまではゼネコンでの勤務で、アジアを飛び回っていたとのこと。お酒を飲めない体質なのに、日本酒にものすごく詳しくて、味のことをよく知っていた(その秘密は後で知ることになる)。バイタリティに溢れるその姿に、こちらが力をいただいてしまった。八海山の蔵元の方ともお話できて、製造の手法について話を聞いてると、大好きなレコードやコーヒーにも通じる手の込みように、なんだか親近感を感じたのです。
小さい頃に家族旅行の機会はほとんどなかった代わりに、ボーイスカウトのようなものをやっていたことがあり、いろいろな場所にキャンプに行った記憶があります。なんだかその時に初めて見た馬鹿でかい蛾とか、葉っぱの裏にびっしりついた毛虫とか、はんごう炊きのおこげの色や、火起こしのコツや、その時のなんとも言えない想いのこととかを思い出してました。
普段のフェスでは、みんなバラバラに食べたいものを食べる訳ですが、このイベントは、みんなが同じ時間に同じものを食べる。まさしく同じ釜の飯を食べるのだけど、その一体感てのは東京や野外フェスではなかなか味わえないもので、少し感動してしまった。
・魚沼産のお米
・スリランカカレー
・麻婆豆腐
・朝は豚汁
・コーヒー
同じタイミングにみんなで一緒に食べる。
美味しかった。
僕はランタンパレードの「もしかしたら今も」
をカバーしたりもしました。
”もしかしたら今も
戻りたくて戻れない
美しいひと時になるのかもしれない”
心からそう思ったのでした。
翌朝飲みすぎたぼくは案の定放心でした。
しかし、朝アクトのchimaちゃんを聴いていたら、体が椅子から浮いて中に舞うような謎体験をしたあと、目をあけると驚くほど体が軽く、、。誇張なしに歌の実益、治癒効果を信じれた、、。
長くなってしまったけれど、激動の夏。
体さえ元気でいてくれたら、これから楽しいことがまた起こって行く気がする。
応援してほしい。
ほんの少し余裕があるその日に、ライブに遊びに来てほしい。
その余白を引き延ばして、また明日が少しだけ明るい気分になる。
自分のことを好きになる。
そんな歌を届けたい。
あ、飛行機が羽田に(PM11:00)
ステキな時間わありがとう。
また出れたらいいな。
来年は5月にやるみたいだよ。
小樽に行ったら是非"酒商たかの"へ
高野さんのお父さんから、息子さんである3代目のすごさをいくつも聴きました。日本酒の味に詳しい理由も。
バイタリティあふれるお父様
私も色々頑張ろうと思う旅でした。
少し太ったな。
調整しよう。
中野陽介ソロ
次は以下
Emeraldは3本!
ばちこい
10/4(金)@新宿MARZ
10/6(日)@渋谷Club Asia
10/13(日)※Free Live @日本橋
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皆さま今日も良き音楽ライフを