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座学形式のオンライン講義で受講者のフィードバックをもらいながら実施するには?

新型コロナウィルスで大学に集まって対面での講義が実施できなくなり,Zoomなどを用いたオンライン講義が一般化していますが,私のような受講者の反応(これに興味がありそう,これ面白がってそう,ここわかってなさそう,ここ説明足りてなさそうなど)を探りながら講義をすすめるスタイルの教員にとって,Zoomで映像をOFFにされており,受講者の顔が見えないのはなんともやりにくく,虚空に向かって喋ってるような虚しさを感じてテンションも上がらず困ってました.

仮想背景を設定する方法を教えたり,SnapCameraやFaceRigを使う方法を教えたりして,できればZoomで顔を見せてくれると助かるなどとやっていましたが,普段顔を合わせる機会が多い閉じたメンバーである研究室のゼミはまだしも,講義は色々なメンバーがいますし,SnapCameraはそれなりにPCの性能がよくないと辛いうえ,ネットワークに不安を抱えている学生さんも多いため,講義において強制するわけにはいきません.また,仮に顔出しをしてもらっても,みなさん真面目に画面に向かって講義を聞いてくれているため,ついつい真顔になりがちで,その真顔が心に刺さる感じもして悩ましい状況でした.

Zoomのチャット機能や,挙手,フィードバック機能も試してみたんですが,見落とすことも多く,また画面共有して実施するような講義の場合はまた見ることも難しく,なんとも悩ましいなぁと感じていました.

で,先日100人規模のオンライン講義を実施するにあたり,東大の稲見先生がComment Screenを使っていたのを思い出し,試しに使ってみました.

このComment Screen,あるIDの部屋にスマホやパソコンなどから投稿されたコメントや,指定のハッシュタグでTwitterに投稿されたコメントを,画面の上にニコニコ動画やニコニコ生放送のように流してくれるものです.

コメントはComment Screenを起動している講師の画面にしか流れないので,まず講師がComment Screenを起動してIDを指定し(Twitterからも拾う場合はハッシュタグを指定して連携し),その講義用のIDを受講生に講義の頭で共有して,Zoomで画面全体を共有することにより,そのコメントが流れる様子を受講生にも見せることができます.Twitter連携がWindowsのアプリ設定の都合でちょっとだけ悩んでしまいますが(ただ無視して再起動すりゃいいのですが),それ以外はかなり簡単です.

実際にやってみたときの様子をスクショで示しますが,めっちゃ面白いというコメントでテンションあがったり

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「絵でもできないのかな」とあって,そうそうその話このあとするよ,と楽しくなったり

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「フーリエ変換?」と技術について質問があがっていたので,それに補足したり

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受講者からのそんなことしたら怒られそうみたいなコメントに対して,「実際に修士論文発表とか国際会議で発表したときもやったけど怒られなかったよ」と補足したり

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どれでしょう?と,口頭で質問して,そこへのフィードバックをもらったり

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ネタバレ許せる?みたいな質問に対して同じくフィードバックをもらったり

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「予習やっといてね!」という呼びかけに絵文字でのフィードバックをもらったり

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Zoomでコンピュータの音をそのまま送った場合に失敗しがちな音量の調整でやらかしてしまって,みんなから「うるさい」など言われてしまって,慌てて音量調整とか,謝罪をしたり

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こんな感じの拍手とか,今の若い人たちだと,ニコニコ生放送のスタイルに慣れているというのもいいポイントなのかもですね.

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色々書いてみましたが,とにかくとても良い感じでした.匿名で投稿できるうえ,スマホからの投稿も可能なのでハードルが低いというのもよいですね.これを使ってやっていくとフィードバックがもらいやすいので,他の講義でも色々と活用してみる予定です.

とりあえず,Comment Screen開発者のみなさま,ありがとうございました.

オンライン講義で受講生の反応が見えないと辛い&この手のコメントに慣れている方,おすすめです!

追記(2020/05/14 15:35)
ちなみに,稲見先生によるComment Screenのススメのページはこちら(もともと稲見先生が使われていたのをみて使おう!と試して,良さに感銘を受けて記事を書いたのだけれど,記事の投稿タイミングが重なるとはとちょっとおもしろかった)


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Satoshi Nakamura
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