Satoshi Nakamura

明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 教授。 中村聡史研究室 https…

Satoshi Nakamura

明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 教授。 中村聡史研究室 https://nkmr-lab.org/ 。 研究室のサイトを研究を発信する場所にするため、それ以外の話をこちらに書いてます。 もしよろしければ、研究室のサイトも御覧ください!

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GPT+プロンプトを活用したプログラミング課題半自動採点のPP-Checkerがとてつもなく素晴らしかった話

私が大学で担当している1年次必修のプログラミング演習の講義は、受講者数が120人とかなり多く、一方で教える教員とそれをサポートするTAの学生を足しても10人ちょっとのため、その講義の運営がとても重要になります。こうした講義運営をなんとかするため、これまでにも教材開発、課題作成、ドリルシステムや共有フォルダを使った採点システムだけでなく、コロナ禍対応のために工夫や、質問対応を容易化するaskTAや、初学者の学習及びタイピング速度向上に向けたtyping.runなどを開発してきま

    • [研究室ゼミ] 発表では発表者支援ツールやカンペの利用は禁止で時間厳守のため徹底的に練習

      発表者支援ツールは便利なものですが、どうしてもそれに頼りがちで聴衆を見なくなってしまいます。紙やスマホ、iPadなどのカンペだとなおさらかなと思います。また、セリフを事前に書いておき、発表者支援ツールを使って練習すると、それを読むことに注力して、喋りにくさや伝わらなさに自分で気づきにくく、また作ったカンペを編集する手間などから、問題を指摘してもなかなか良い方向にアップデートされない印象です。さらに、発表練習での成長がないため、次に繋がりません。 ということで、中村研では学会

      • [研究室ゼミ] 対外発表をしたら、ゼミの中で楽しい発表報告をしてもらう

        中村研ではすべての学生さん(今年は31人!)に1年に1回は学会発表することを義務付けているのですが、学会発表してもらうからには、学生さんたちが少しでもポジティブに学会発表したくなる(そのために研究したくなる)ようにすることが重要だと思っています。 ということもあって、学会発表したら、その次の全体ゼミにおいて参加者による学会発表報告をしてもらうようにしています。 学会発表報告では、もちろんどんな研究発表をしてきたかという話だけでなく(最近、Scrapboxでその発表自体を報

        • [研究室運営] 徹底的にメンバーをシャッフルする

          中学、高校と1つの学年に大きな差を感じていた学生さんたちにとって、学年の差というのは大きいものです。また、1つ上ならまだしも、2つ上、3つ上の学年ともなると交流がなく、先輩と後輩との間で断絶が生まれ、遠慮が生じたりといったりということは珍しくありません。 断絶や遠慮が生じると、先輩に対して質問することがはばかられてしまいますし、気軽に研究相談もできませんし、なにか困ったときに頼るということもできません。また、先輩としても、怖がられているのでは?などと、いらぬ心配を抱えること

        GPT+プロンプトを活用したプログラミング課題半自動採点のPP-Checkerがとてつもなく素晴らしかった話

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        • 中村研究室のゼミと運営の工夫
          24本
        • リモート講義に関する試行錯誤
          8本
        • 失敗から学ぶユーザインタフェース:楽しいBADUIの世界
          5本

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          [研究室ゼミ] 卒論・修論チェックグループで原稿の進捗チェック

          卒論や修論といったまぁある程度長い時間をかけて進めるタスクは、どうしても定期的に進捗を出していくことが重要になります。そのため、下記に示すようなチェックシートを用意したりしているのですが、チェックシートがあって自主的に進めることができるのは一部の学生さんだけで、それ以外の学生さん(学生時代の私も含む)にとってはただあるものであり、やらなきゃーと思いつつ、全く進まないというのが個人的な感想です。 ということで、研究室では毎年9月末(秋学期の最初のゼミあたり)になると研究グルー

          [研究室ゼミ] 卒論・修論チェックグループで原稿の進捗チェック

          [研究室運営] 研究室運営を支えるWebサービス(after コロナ禍)

          以前、研究室運営を支えるWebサービスについてコロナ前、コロナ禍の様子を書かせてもらったのですが、 対面での研究室運営が戻ってきたため、現在の様子について書かせてもらいます。 コロナ禍では研究室にみんなが集まって活動することができなくなったため、時間同期でオンライン空間に集まって活動するスタイルでしたが、ようやく戻ってきました。やっぱり対面は良いですね。 ということで、以前書いていた内容をアップデートしつつ、新しく導入したサービスについて書いてみます。 改めてですが、

          [研究室運営] 研究室運営を支えるWebサービス(after コロナ禍)

          [研究室運営] 質問のハードルを下げるには?

          どの先生に伺っても、重要だという認識だけれど、なかなか学生さんたちはやってくれないもので、どうしたものかと思案している方が多い「学生さんがなかなか質問してくれない問題」。学生さんからすると質問しにくい理由にも色々とあるので(先輩に対してこんなこと聞くのははばかれるとか、知らないのは自分だけでは?とか、理解できていないと呆れられるのでは?とか、恥ずかしいなどなど)、なかなか難しいものだなとも思います。 ちなみに、何もしなくても学生さんは質問するよとおっしゃる先生もいらっしゃる

          [研究室運営] 質問のハードルを下げるには?

          Zoom+Scrapbox+YouTubeを利用したオンライン成果発表会(卒論発表会)

          今回の卒論発表会および、B3/M1/M2の進捗発表会については対面で実施できると楽しみにしていたのに、なかなかままなりませんね。今年度もオンラインでの実施となりました。 さて、そのオンラインでの成果発表会については、これまでも下記ページのようにRemo+Scrapboxという形式で実施してきて、各発表について事前にScrapboxのページを作成し、そちらにポスターの画像を貼っておいて、発表に対するコメントをScrapboxに書き込んでもらう形式をとって、とても良い感じでした

          Zoom+Scrapbox+YouTubeを利用したオンライン成果発表会(卒論発表会)

          [研究室ゼミ] 研究テーマ交換プレゼン

          ようやく複数回実施して、良さ整理できてきたので改めて(過去の記事はこちら)。 学生さんの様子を見ていると、自身の研究について、そのアイディアを思いついて取り組み始めたときにはオモシロイと思っていたのに、徐々に「あれ?これなにが面白いんだろう」と思ってしまいがちのように思います。また、研究について何度も語っていると、このテーマについて初めて聞くひとの気持ちがだんだんわからなくなり、導入の重要なところを飛ばして説明するようになってしまって、結果的に納得性の低いものになっていたり

          [研究室ゼミ] 研究テーマ交換プレゼン

          [研究室運営] 学生さんと同じ部屋で仕事をする

          先日こんなことを書いたら、かなり多くの方から賛同を頂いていたようでした。雑談は本当に重要ですよね。 研究室での雑談は、研究テーマを考えたり広げたり深めたりひっくり返したりするのにも役に立ちますし、ふと詰まっていたことを思い出して質問するといったこともできますし、とても重要だと思います。また研究で詰まってしまったときなどに、こんなレベルの低いことを相談するわけには...などと思ってしまって一人で抱えて1週間~1ヶ月経過し、抱えれば抱えるほどもっとレベルの高いことを相談しなけれ

          [研究室運営] 学生さんと同じ部屋で仕事をする

          [研究室運営] 口頭発表・ポスター発表がある卒論発表会・最終成果報告会をオンラインでどう実施するか?

          大学で卒論や修論があるところは、1~2月は卒論・修論発表会でバタバタだと思います。 私が所属する先端メディアサイエンス学科では、卒論発表会は各研究室で独自に実施するものとなっているため、中村研では1月末~2月上旬に通常卒論の発表会を実施しています。また、卒論発表会は折角の機会ですので、この日に修論発表会のプレ発表会(本番は専攻全体で実施)と、学部3年生、修士1年生の進捗報告会も兼ねて実施しています。 例年だと卒論発表は口頭発表で実施し、それ以外の発表についてはポスター形式

          [研究室運営] 口頭発表・ポスター発表がある卒論発表会・最終成果報告会をオンラインでどう実施するか?

          [研究室運営] Scrapboxを使った研究室の情報共有のススメ

          研究室でしっかりと情報共有がなされているところは思った以上に少なく、先生だけが重要な情報を知っている、秘書さんだけが全容を把握している、あの先輩だけがあの高価な機器の使い方を知っている、しっかりもののあいつだけが頼りみたいなことになりがちです。 で、先生が忙しくなりすぎると情報が降りてこなくて困る、秘書さんが辞めると情報が消失して破たんする、先輩が卒業すると誰もあの高価な機器を使えず廃棄まっしぐら、しっかりものの学生さんに負荷が集中して不満がたまるみたいなことになりがちです

          [研究室運営] Scrapboxを使った研究室の情報共有のススメ

          noteで下書きが先祖返りする

          なんかしらんが,下書きしたものが一見すると保存できているような感じなのだけどアップデートされず,先祖返りしてしまう.下書きを更新しても日時が変更されず,どれだけ編集して下書きしても,よくわからんタイミングでこの16:53の記事に戻される. なんなのこれ.ループもの? 16:53がなんか特異点なの?

          noteで下書きが先祖返りする

          [研究室運営] 研究室を支えるWebサービス(with 新型コロナウィルス)とオンラインでの研究室運営の難しさ

          今年の1月に研究室運営を支えるWebサービスについて書いて、色んな人に読んでもらったのですが... あれから随分と世の中が変わってしまいました。新型コロナウィルスにより研究室にみんなが集まって活動することができなくなったため、時間同期でオンライン空間に集まって活動スタイルへと変化し、情報共有の重要性が特に増していると言えます。また、新型コロナウィルスとともにある時代において重要なのが、対面でできていたゼミや研究室内での活動を、如何にしてオンラインで成り立たせるかという話にな

          [研究室運営] 研究室を支えるWebサービス(with 新型コロナウィルス)とオンラインでの研究室運営の難しさ

          [研究室運営] 卒論・修論はチェックシートで目標設定と客観的な相互チェック

          卒業論文や修士論文で書きまとめる研究内容については、約半年かけてアイディアやモチベーションについて徹底的に議論したり、プロトタイプシステムを実装したりプレ実験を実施してあたりをつけたり、合同研究会などで発表して意見をもらったり、実験結果について議論したりすることで固めていくわけですが、論文を書くこと自体は、ひたすら自分で整理し、向き合い取り組んでいく必要があるので、なかなか大変です。 また、卒論や修論は、何をどんな感じでどれだけ書けばよいかがわからないですし、一般に1~2年

          [研究室運営] 卒論・修論はチェックシートで目標設定と客観的な相互チェック

          Scrapboxと発表者が規定の時間で移動するオンライン・ポスター形式の合同研究会がとてもよかった話

          中村研では「ひとりの落ちこぼれも出さずにある程度高いレベルまで上げる」ということが基本的な運営ポリシーであり,色んなことをやっているのですが,その中でも重視しているのが他研究室との積極的な交流会だったりします. 研究室に閉じていると仲間も世界も広がりませんし,画一的な評価基準のなかでいるのはうまくいっている人にとっても,うまくいっていない人にとっても望ましくありませんし,機会損失にもなります.また,一度学会発表して終わりじゃなく,途中の段階で色んな人にコメントをもらうという

          Scrapboxと発表者が規定の時間で移動するオンライン・ポスター形式の合同研究会がとてもよかった話