美しいもの -MOTHER2の言葉-
◯です。
みなさんはスマブラでお気に入りのキャラクターはいますか?
ぼくは昔からネスを使っていました。
後ろ投げがめっちゃ強い分、PKサンダーの復帰が難しいピーキーなキャラクターですが、そういう難しいものを使いこなせてこそという気持ちからネスを多用していました。
スマブラあるあるなのですが、キャラクター自体はよく使うけれど、原作となるゲームはプレイしたことがない現象。
ぼくの場合はネスの原作であるMOTHER2でした。
元はスーパーファミコンのハードのゲームでしたが、ちょっと前にSwitchで遊べるようになったのでコツコツとプレイしていました。
そして、ネス少年との長い旅路はついに終わりを迎えました。
この長い長い旅は、ぼく自身の心に残る思い出に溢れていたので、美しさとともに完走した感想をつらつらと残していこうと思います。
言葉の美しさ
ゲームデザインとシナリオを手がけた糸井重里氏が描く、MOTHER2の真骨頂とも言える独特な言葉の数々は、ものすごく記憶に残りました。
クスッと笑える言葉から、心の臓を突き刺すような言葉まで。
これらが緩急をつけてやってくる。このリズミカルさが魅力の一つだと思っています。
特に癒しでしかない「どせいさん」のセリフは、和やかなのにどこか核心をはらんでいるようでお気に入りです。
(スマブラではたくさん投げちゃってごめんね)
他にも感動的な言葉が多数あるので、後述にて触れようかと。
ママの言葉
この言葉がMOTHER2で最も好きで、大切にしたい言葉です。
MOTHER2は「おとのいし」に音を集めるのが目的の一つでもあります。
これらの音楽が集まった時、ネスは自分自身の意識によって作り出された世界「マジカント」に行きます。
マジカントに行く前、ネスが生まれた時の記憶が蘇ります。
その時、赤ん坊のネスをみるパパとママが、未来の子どもに対しこんな素晴らしい言葉を残したのです。
去年結婚した自分にはかなり刺さる言葉で、将来生まれてくるかもしれない子どもに、そして育ててくれた両親に対して、暖かな感情を抱くのでした。
ママは自身の子どもに信念を持てと言いたかったのかもしれません。
思いやりのある強い子は、友達もいっぱいできるし、無事を祈ってくれるし、世界だって救っちゃうかもしれない。
ママは間違ってなどなかったね。
マジカントという世界
前述もしたマジカント。
ここはネスの意識が作り出した世界。
そこには今まで出会った仲間や家族、敵が暮らしています。
このように思い出に彩られた空間は、もし自分だったら誰がいるだろうと連想します。
ずっと大切な家族や友人はもちろん、死別した親友にも会えるかな。
でも、苦手な人には会いたくないなあ。もしかしたらとっつきやすくなってるのかな?
……なんて、いろんな連想をするうちに、マジカントでの旅はなんだか走馬灯のようなものになったのでした。
個人的にマジカントで暮らすキャラクターの中で響いたのは雪だるま。
こんな言葉を残しています。
雪だるまは、ぼくも人生で何度か作ったことがあります。
ただ、そんなこともマジカントに行くまで忘れてしまっていたな。
ぼくがこれまでに遊んできたもの・ことすべては、ぼくの記憶の引き出しに確かに眠っているし、それらもぼくのことを覚えている。
そう思うと突然子どもの頃の記憶が愛おしくなってくるのでした。
よく遊んでいたポケモンの指人形は一緒に遊んだことを楽しいと思ってくれているだろうか?
川遊びの時に遊んだ石は出会ったことを記憶しているだろうか?
楽しかった記憶も、恥ずかしかった記憶も、ぼく自身を鏡で見ているような体験をMOTHER2というゲームにて経験したのでした。
世界観の郷愁
ネスを見ていると少年の頃の小さな小さな冒険を思い出します。
ぼく自身の冒険ではないけれど、不思議とその感覚を覚えるのです。
しかしこの世界はユーモアで満ちている。
このちょっぴり独特な世界は、まるで子どもの視点が創り出したような雰囲気。
そこで、これはネス少年の物語だと思い出すのです。
この感覚を繰り返し感じることで、壮大なノスタルジーを感じるのです。
最近、aftersunという映画を見ました。
少女とそのお父さんが二人で旅行を楽しみ、その時に撮影したビデオムービーを大人になった少女が見るという内容。
少女は時に成し得なかったことまでやったかのようにビデオに残すのですが、あったにせよなかったにせよ、思い出は永遠に残るのです。
鑑賞後、MOTHER2に抱いていた感情の答え合わせができたような気がしました。
自分は体験してこなかったことも、体験したことがあることも、すべて懐かしい思い出なのである。
似たような感覚として、ぼくのなつやすみでも同じように感じます。
MOTHER2をやってたり、aftersunを鑑賞していたり、ぼくなつの実況を最近見ているからこその感覚かもしれませんが笑
以上のようなノスタルジーに、ぼくは美しさを覚えたのでした。
実家に帰りたくなってきた。