【前編】総合的なマネジメント能力が身につくスクールマネージャーの仕事とは
株式会社日本教育協会は、一都三県を中心に代々木個別指導学院という塾を運営しています。今回は各校舎を運営するスクールマネージャーの仕事内容をテーマとして、相模大野校のリーダーの矢外さんにお話を伺いました。
取材前編では、銀行員からスクールマネージャーに転職した背景や、入社後半年間かけて行われる研修内容、配属後のスクールマネージャーの1日の流れについてご紹介します!
相手の人生をより良くする仕事をしたい。1社目の違和感で気付いた大切な価値観とは
ー自己紹介をお願いします
神奈川県相模大野校のスクールマネージャーでリーダーを務める矢外と申します。新卒では銀行の総合職として入社して融資事務や法人・個人営業の経験を積み、2020年11月に日本教育協会に転職しました。
新卒の会社では、銀行の窓口業務を学んだ後に融資課に配属され、営業とペア制で融資事務に従事しました。営業が提案している企業様への融資可否を判断するため、企業様の財務・経営状態を調べたり、融資で必要な手続きを行いながら、FP技能士や銀行業務検定などの金融専門資格を複数取得しました。
2年目の後半には法人営業に異動。企業の経営者様向けに融資や不動産売買に関するご提案を行いました。その後、異動して個人営業となり、地主様や資産家の方向けにアパート・マンションローンや相続対策のご提案をはじめ、住宅ローンやクレジットカードなど多岐にわたる商材に関わりました。
中小企業の経営者や資産家のお客様などと折衝する金融営業職の仕事は、大きな責任を持ちながら専門知識を学べる有難い環境だったと思います。しかし、心の底からやりがいを感じられずモヤモヤした気持ちを抱えていたんです。
ー1社目でモヤモヤを抱えてしまった要因は何でしたか?
私が銀行の仕事を選んだ理由は、営業力やヒューマンスキルが磨けると考えたためです。無形商材を扱う銀行員であれば、商品・サービスよりも「自分自身を売り込む」経験が積めると思いました。
しかし、いざ仕事を始めてみると、矢外という人間を選んで契約していただくことよりも、金利の低さや商品の特徴を他行と比較される場面が多いと気付いたんです。私の力不足もありましたが、「この仕事は自分ではなくてもできるんじゃないか」と思い悩むようになってしまいました。
また、銀行では会社の価値観と、自分が仕事で大切にするものにズレがあると気付いたのもモヤモヤの背景にあります。1社目では売上・数字を最優先する文化が根付いていて、社内はとにかく数字ありきのコミュニケーションをとっていました。
営業職は、売上額が重要視されるのは当たり前なものの、「お客様のため」に提案をした結果として数字がついてくるという価値観を持っていたんですよね。徐々に会社の考え方と自分の思いにギャップを感じるようになり、転職に至りました。
ただ私は、決して1社目を否定したいわけではありません。この先40年以上続くキャリアを見据えたときに、もっと自分と価値観の合う環境で働いた方が良いと判断をしました。
ーどのような転職軸で仕事を探しましたか?
業界や職種をあまり限定せずに、次の2つを満たせる会社を探しました。
①お客様とダイレクトにかかわり、直接感謝をもらえる仕事
②マイナスを0に戻す仕事ではなく、プラスのものをもっとプラスにする。より良くするための仕事
第一条件として「直接お客様から感謝をもらえる仕事がしたい」と転職エージェントに伝えました。次に重要視したのは「プラスのものをもっとプラスにする仕事」という軸です。
これは私なりの解釈になりますが、銀行や保険のような金融商品や医療従事者の仕事は、マイナスの状態をプラマイゼロの状態に戻すような仕事だと捉えていました。それよりも私は、プラスのものをもっとプラスにして大きな喜びを作り出す仕事、今の状態をより良くするために相手に貢献できる仕事をしたいと考えたんです。
プラスのものをもっとプラスにする仕事のイメージとしては、たとえばレジャー施設のスタッフやブライダルジュエリーの販売職のようなイメージです。極論、その存在がなくても生きていけるけど、自分が介在することで相手の人生がもっと豊かになるような、プラスのエネルギーを感じられるような仕事に就きたいというものです。
この転職軸で仕事を探した結果、ご縁があり日本教育協会に入社を決めました。
半年間の手厚い入社研修からスタート
ー入社後は半年間の研修があると聞いています。研修内容と仕事の流れを教えていただけますか?
弊社の研修内容は副社長による座学研修と、校舎で行う実地研修に大別され、入社半年後に行われる修了試験に向けて取り組みます。はじめは座学の割合が多めで、徐々に校舎で過ごす時間を増やし、現場の仕事を覚えていく流れです。
研修内容をカテゴリ別に見ると、主に次の3つに分けられます。
生徒やご父母とのコミュニケーション
事務作業
その他・教室運営業務
①生徒やご父母とのコミュニケーション
実地研修では、はじめに子どもとのコミュニケーション方法を学びます。子どもたちにどういう話しかけ方をすると喜んでもらえるのかをOJTで学び、コミュニケーションのコツを身につけます。
コミュニケーションの際は、ただ闇雲に声かけをするのではなく、「この1週間で、研修校舎の生徒さんと小さい約束を〇つ作りましょう」といったお題に基づいて取り組むのがポイントです。小さい約束とは、たとえば「来週の単語テストで満点を取ってほしいので、この1週間は家で〇回ずつ書いて練習してみよう」というものですね。
ご父母とのコミュニケーションも同様に、「今日は情報発信(※1)を〇件かけてみよう」といったお題が出されます。このようにさまざまな課題を通して関係者とのコミュニケーションを重ね、会話の中で学校の試験期間や入試スケジュールなどの必要知識も覚えていきます。
②事務作業
2つ目に学ぶのは社内の定型業務や事務作業です。日次で実施する「段取り(※2)」や月末月初で行う事務作業、ご父母からの問合せや入塾案内の仕方、地区やスクールマネージャー間で行う報連相に関わるものが挙げられます。
③その他・教室運営業務
3つ目は、講師アルバイトのシフト管理や教室運営にまつわる全般の業務を学びます。講師アルバイトの校舎研修に同席をすることもあります。
ー修了試験はどのように行われますか?
座学と実地研修を半年間受講したら、副社長による座学研修のみ修了試験を行います。修了試験の内容は、新規入塾を希望されるご父母との面談に関するロープレ試験です。
修了試験のロープレに向けて、研修期間中に独自マニュアルを覚えて日々練習し、同時期に入社した同期と一緒に修了試験を受けます。無事に試験に合格したら、いよいよ本配属となります。
本配属後の仕事内容
ー本配属後、はじめは何の仕事から開始しましたか?
本配属後は、まず校舎の生徒さんやご父母、アルバイト講師の顔と名前を覚えていきました。校舎には一般的に数十名から200名位の生徒が在籍しています。校舎にいる正社員は1~3名で、アルバイト講師は数十名います。
けっこうな人数で驚かれる方もいると思いますが、生徒さんの迎え入れ・送り出しのときに名簿と照らし合わせたり、授業中に教室内を歩き回ったりしながら、だいたい1か月ほどで全員の顔と名前を覚えられますよ。
私はたまたま研修期間中に相模大野校に来ていたため、かなり早い段階で生徒さんを覚えることができました。
なお、代々木個別指導学院では、小学生1年生から高校3年生まで幅広い年代の生徒さんを受け入れています。どの校舎も公立中学生がボリュームゾーンとなりますが、さまざまな年代の生徒さんとコミュニケーションをとるのも特徴です。
スクールマネージャーの1日
ー1日の仕事の流れを教えてください。
▼12:30 出社
スクールマネージャーの仕事は、12時半の少し遅い時間帯にスタートします。週の大半は「ギャザー」と呼ばれる地区ミーティングに参加します。ギャザーでは、スクールマネージャー同士の進路情報や旬な情報の交換や、初期研修より実践的な研修をしています。多くの社員と和気藹々とした雰囲気で行われるので、楽しみながら参加しています。
▼15:00~16:30 校舎到着・段取り
校舎に着いたら日次業務をリストアップする「段取り」として「この書類はいつまでに提出する」「今日は〇〇くんと〇〇さんにこの話題で面談する」「講師の〇〇先生と授業のレギュラー曜日を決める」など、細かいタスクに落とし込みます。
また、その日の時間割の確認をして、休みの講師がいないか、生徒さんと講師のベストな組み合わせになっているか微修正を行います。
出社後30分ほどかけて段取りを終わらせたら、次の仕事はカルテチェックです。カルテとは生徒さんの勉強進捗や日々の様子を記録してある社内資料のことで、カルテを見ながら生徒さん一人ひとりの状況を細かく確認します。
この時間帯は校舎に私一人しかいないので、生徒さんが来る夕方までに集中して作業に取り組みます!
▼14:00~15:00 ランチタイム
14時〜15時はお昼休憩です。相模大野校の近辺にはラーメン店が多いので、日によって違うラーメン屋さんを巡るのもちょっとした楽しみですね。
▼16:30~21:30 最初の授業の生徒さんをお迎え
17時から、80分単位の授業が3回行われます。この時間帯からは生徒さんのお迎えと授業の対応、ご父母との面談で忙しくなります。
▼21:30 授業終わり
すべての授業が終わり、生徒さんを見送ったら、21時40分ごろに講師アルバイトに事務連絡を行います。
▼22:00 施錠・帰宅
その日のまとめ作業をして、22時頃には施錠をして帰宅します。
【Q&A】スクールマネージャー職のよくある質問
ー1日の流れについて、詳しくご説明いただきありがとうございました!最後にQ&A形式でご回答をお願いします!
Q.社内ミーティングはどのくらいの頻度で実施しますか?
弊社が運営している全校を5つの地区に分けて、週の大半は地区ごとのミーティングを行います。地区ミーティングの日はミーティング後の15時に校舎に入ります。
Q.お休みはどのくらい取得できますか?
塾業界では非常に珍しく、基本的に土日休みです!年間休日は118日(計画年休5日含む)で、ゴールデンウイーク9日間、夏季休暇9日間、秋季休暇4日間、年末年始休暇6日間など、長期のお休みも可能です。
Q.季節講習や入試にあわせたイレギュラーなスケジュールは発生しますか?
夏期講習や冬期講習などの季節講習は、生徒の学校の休みに合わせるので、土日関係なく日程が組まれます。ただし、その分平日に休みがあったり、講習後に長期休暇があるので休みは十分に取れています。また、中学生向けの無料のテスト対策や中学3年生向けの日曜特訓、内定者懇親会や会社説明会のような本部業務の際に、月1回ほど休日出勤が発生する場合があります。
Q.残業はどのくらい発生しますか?
授業前の15時ごろからご父母との面談が続く場合は、授業後に残って事務作業を行う日もあります。ただ、固定残業制で決められている30時間を超えることはなく、基本的に残業は多くありません。
まとめ
取材前編では、銀行員だった矢外リーダーが転職を考えた経緯と転職軸、スクールマネージャーの入社後研修と仕事内容についてお伝えしました。取材後編では、この仕事ならではの印象深いエピソードをはじめ、スクールマネージャー職を通して身につくスキルや会社の魅力について掘り下げます。
【後編はこちら】
▼dodaでも募集要項をご確認いただけます!