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うわさのズッコケ成人雑誌

noteで「うわさのズッコケ株式会社」の読書感想文を募集しているという企画を見て、子供のころズッコケ三人組シリーズのファンであった私は、またこの本を読んでみたくなった。

ズッコケシリーズの中でも名作とされている本著を、大人になった自分が読んだらどう感じるのだろう。

結論からいうと、登場人物の心の美しさに感動した。
株式会社を立ち上げるが最終的には商売をたたむというあらすじはなんとなく覚えていたので、社長のハチベエが株主の糾弾から取締役を更迭されてハカセとモーちゃんが結託して株を売り抜けて現金を手元に残すみたいな話だとなんとなく思っていた。

ところが実際は、取締役と従業員が自分たちの人件費を考えずに利益を全額株主に配当しようとしたところ、株主側の意見で取締役にも利益を還元させて事業を精算するというお互いを思いやった締めくくり方だった。

私が中学校一年生の時、クラスが丁度このズッコケ三人組のいるクラスのように和気あいあいとしていた。
そのクラスの中心に、ズッコケ三人組でいうハチベエのような中心人物がいた。名前はG。

Gはある日、この本の中で商売を始めようとした時のように提案した。

「明日、みんなが持ってるエロ本を持ち寄って交換しようぜ」

仲間たちは大盛り上がりし、翌日必ず持ってこようと約束してそれぞれ家路についた。

翌日、エロ本を持ってきたのは私一人だけだった。

なぜみんなが裏切ったのかは誰も説明してくれなかったが、休み時間に私の机を囲んだGたちは大盛り上がりだった。
あまりに盛り上がって、先生が教室に入ってきてGの持っているエロ本をとりあげた。
その時、Gは迷いもなく言った。

「これ、持ってきたのはじめです!」

その日の授業終了後、私は一人で職員室に謝りに行った。
未成年なのでエロ本は当然そのまま没収された。

エロ本を持って来ていたことが学年全体の知るところとなって株が暴落し、私は後の人生をズッコケ一人組として生きることになった。


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