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しらゆきひめ、新婚生活【400字小説】

幸せとはこのこと。掴むものでもなく感じるものでもない。ただあって、ただ寄り添うの。触れないし目にも見えない。食べられるものじゃないから味も想像できない。薔薇の匂いがするのは気のせいだな、無臭です。どこかへ行かなくても平気。おいしいものよりもウキウキ。充足してる、満ちている。抱き合ってキスして眠るだけで良い。お酒もちょっとでいい。豪華な料理は嫌い。わたしが作れるので十分なのよ。家庭的が一番。あまり壮大にしてしまうと幸せではなくなる。手の届くところにあってほしい。きっと哲学的かしら?小人たちは仲良く暮らしている。たまに喧嘩もしているけれど、家族のような関係だから、すぐに仲直りしてイイネ! こんなに幸せでいつか不幸になるんじゃないかって不安にもならない。永遠に続く、そう信じている。信じるものは救われる。新婚生活、それは愛。いつだってやり直せるわ。魔女がまた毒リンゴを持ってきてさえくれれば、愛は新鮮。

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