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【400字小説】勘違い

瞳が印象的。風が舞っている。髪がなびいている。燦々というには、まるで絵に描いたような光景。何か言おうとしている彼女。大切なことを伝えようとしているのは、必死な表情から伝わる。でも、愛の告白ではないことは明白。チンピラみたいな俺を好きになる彼女じゃない。

夏の日の朝に、自転車をこいで追いついてきた彼女。学校指定のカバンを背負っている。重い荷物だということは想像しなくてもわかる。音がした。車のクラクション、河川敷の登校時間のざわめき、電車が鉄橋を走る音も遠くでする。

「何?」と俺は言う。彼女は伏し目がちになって、深呼吸。でも、またため息を吐いて、気持ちを入れ直している。「早くしてくれない? 先生のヤロウにまた遅刻だって怒られちゃうんだよね」と急かした。すると大きく息を吸い込んで言った。

「Tくんをいじめるのやめて」

そんなつもりはないんだけどな。みんなが思っているほどワルじゃないんだ。超*普通の子。

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