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【血の粥】感情の起伏は呪術師には不必要(38)

ムラ民に呪術師になりたい(=「ムラ長になりたい!」)と願う男や女は少なからずいて、でも、当然、選ばれし者しかなれない。狭き門と表現するのは、違う。欲ある者はなれない。権力が欲しいなんて以ての外。なる者がなるのだ。宿命を背負う覚悟だけが必要。感情の起伏など呪術師には不必要。気持ちは凪であるほど良い。そんなものは人間らしい生き方ではないが、呪術師はそうあるべき。人間らしさを捨てるという生き方。特に感情に振り回されることは、自分自身に振り回されるということ。自分で自分を苦しませなくていい。楽な考え方で自分自身であることが呪術師の凪。話は逸れるが、一方で、優れたところは誰にだってある。なのに、自分を貶める考え方をしてしまう人間は多い。他人の評価に揺さぶられる者、自分の優れたところを見ない者、そんな人間たちは苦悩して自ら死んでしまうことすらある。ムラ長に言わせれば、「彼らはみんな長く考えすぎたんだよ」。

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