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【400字小説】かぼちゃの正体

猫が邪魔で書きづらいけれど、退けるわけにもいかないので、辛い体勢で書く。猫には嘘はつけない、シモベであるしかない。スマッシング・パンプキンズが好きだったマキコさんが好きだった。当時、一生懸命理解しようとしたスマパン。ようやく理解できた、ボクはアンパンマン。信じてる、愛と勇気だけは友だちだって。

今夜、約束の橋へ行くので、マキコさんに会えるはず、猫に留守番してもらって。亡くなった妻には申し訳ないが、マキコさんのことを思い出している。もう結婚はしない。妻以上の人には会えない。いたとしてもマキコさんはすでに誰かの妻だろうし、ボクなんかより愛している子どもらがいて花束をこしらえているはず。

猫は相変わらず、わたしのひざに。正体をさらせ、ありのままに生きるんじゃないよ。猫だけを愛して、猫だけに愛されるなんて、それだけで満足じゃないか。シモベで生きるのは情けないけど、なんて快適。スマパンをもう一度聴こう。

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