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【400字小説】五輪

長野五輪、他人事で済ませていた
ヨシイは、長野県民なのに。

1998年、開催年だけは言える。
でも、誰が活躍したのかは
リアルタイムでは知らなかった。

あまのじゃくでテレビも持っていなかった、
当時、一人暮らし。
NHKの受信料を徴収されるのを拒んでいた。
実際、テレビ見てなかったんだもの。
それで徴収に来るおじさんと
喧嘩になることがあって、
仕方なく彼女のキヨミヤが間に入って、
白黒テレビ契約っていう謎の契約を結んだ。

キヨミヤと別れてからの以降は、
受信料を滞納して1年後に
徴収に来たおじさんと殴り合いの喧嘩に。
60歳を越えていたが元ボクサーのおじさんは
カウンター・パンチをお見舞いして、
ヨシイをノックアウトした。

気がついたら病院にいた。
何が起こったのかわからなかった。
「なんでここにいるのかわかってますよね?」と
看護師が言って、彼女はキヨミヤだった。

「殴ったおじさん、警察に捕まったよ」

ヨシイは夢かと思って「へえ」ってだけ。

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