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【400字小説】猫たちの午後

好きな俳優から頂戴して、猫にアルとパチーノという命名をしてわかりやすかったね。アルはいよいよご本人の年齢を超えた。パチーノは子猫だから、まだまだデビュー前といったところ。わたしは映画『狼たちの午後』を好む。『ゴッドファーザー』でも泣く、『スカーフェイス』でも泣く、『狼たちの午後』で落涙する。

本作は銀行強盗の話だ。シリアスでバカバカしい結末。まぬけなのはアル・パチーノが演じるソニー。笑えない、むしろかわいそうで哀愁さえも。

一方、猫たちは年の差があるからわかりあえない。でも、わたしとだってわかりあえていないので、お互い様。かわいいから、多くは望まない。一緒に暮らしてさえくれれば◎。パチーノは遊んで欲しい盛り。アルはこの頃いつだって眠っている。

カーテンの隙間から入る光を浴びてアルは寝ていた。パチーノが「遊ぼうよ!」ってアルに飛びかかったが、アルは無反応。眠っていた? 平和な昼下がりのはずだったんだ。

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