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ただの映画感想『グラディエーター』

★★★☆☆

アウエリウス皇帝を演じたリチャード・ハリスが素晴らしい存在感を放っていた。あまりの熟練さにアウエリウス皇帝の息子であるコモドゥスを演じたホアキン・フェニックスが頼りなさ過ぎた冒頭。ところが憎悪と嫉妬とで狂っていったコモドゥスの葛藤は人間味溢れていて、ラストは狂気を感じた。その狂いっぷりには脊髄に冷凍液注射されたようにブルッとした。この映画はラッセル・クロウあっての作品ではないと言ったら暴論か。もちろん、マキシマスは英雄だったし、それに相応しい演技だった。というか演じているとすら感じさせなかった。だから、ラッセルは見事だったと言える。それでもわたしはホアキンが今にも壊れそうな”madness”を表現していたことに拍手を送りたい。ホアキンがいたからラッセルは輝けた。物語としての見どころはやはりここに書ききれないほどだが、その敵対する宿命の関係から絶対に目を離してはならないし、ホアキンが黙っていない。

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